桐光学園FW倉持慶太「これからも自分らしさとガムシャラさは忘れない」

桐光学園FW8倉持慶太(写真=K.Nishiyama)

 6月8日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選2次予選3回戦が行われ、桐光学園平塚学園に1-0に勝利し準々決勝に進出した。

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 序盤から攻撃的に試合を進めた桐光学園だったが、終わってみれば最小得点差の辛勝だった。そんな苦しい試合で勝負を決めたのは FW8倉持慶太だった。

 「練習から話し合っていた形で太一君(DF2杉野太一)がいいボールをくれたので決めることができて良かったです。狙い通りに(ボールを浮かして)ゴールできました」

 そんな彼が背番号8を纏うまでは紆余曲折があった。桐光学園OBの兄・倉持快(早稲田大→東京海上)に憧れ桐光学園に進んだ昨年、兄を勝るとも言えるスピードを持ち、入学当初から活躍が期待された。1年の関東ルーキーリーグではそのスピードを武器にSBやFWとして躍動し、トップの試合でもベンチ入りを果たした。しかし、層の厚い桐光学園に於いて進級=ポジション確保というわけにはいかず、ようやく出場機会を得たプリンスリーグ関東では、ボランチとしてボールを追った。そして迎えたインターハイ予選、ようやく兄と同じFWとしてピッチに立ち、チームを勝たせるゴールを奪った。それでも「もっとチャンスがあったのでそこを決めきれないといけないのでもっとこだわっていきたいです」と嬉しくないはずはないのだろうが厳しい表情で言葉を繋いだ。

 「色んなポジションを経験したおかげでそれぞれの気持ちがわかるようになりました。チームとしてのテーマ『強度・切り替え・運動量』をガムシャラにやらなければいけないのは、どのポジションをやるにも大事なこと。これからFWではないところで試合を出ることあるかもしれないですが、自分の持ち味を出しながらそれを忘れないでやりたいです」

 遠回りの経験はきっと無駄にはならないはずだ。倉持慶太がどんな選手に成長するのか?楽しみでならない。

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