祇園甲部、三茶屋街と共演 9月の金沢おどり 舞台から能登復興祈る

上方唄「東山名所」を披露する祇園甲部の芸舞妓(おおきに財団提供)

  ●京都五花街、最大

 金沢のひがし、にし、主計町(かずえまち)の三茶屋街の芸妓(げいこ)が総出演する9月の第21回金沢おどり(同実行委員会、一般財団法人石川県芸術文化協会、北國新聞社主催)に、京都五花街最大の祇園甲部(ぎおんこうぶ)の芸舞妓が出演することが決まった。京都の春の風物詩「都をどり」を運営する祇園甲部の芸舞妓との共演は初めて。石川出身の芸妓も登場し、被災地の復興を祈る舞台を彩る。

 祇園甲部は八坂神社の門前町として栄えた祇園町にある花街で、京舞井上流を伝承する。昨年12月に石川県と京都府が締結した「文化の振興等に係る連携・協力に関する協定」の取り組みが進む中、県と府の仲介で出演が決定した。

 金沢おどりと京都の花街との共演は2018年の宮川町以来6年ぶりで、舞妓、芸妓がそろって出演するのは初めてとなる。

 舞を担当する立方(たちかた)として芸妓4人、舞妓4人、地方・笛6人の計14人が、京都東山の景色を詠み込んだ上方唄「東山名所」を披露し、舞台に華を添える。祇園甲部で修行し、先月芸妓となった小松市出身の紗友美(さゆみ)さんも登場し、ふるさと石川の復興を祈る。

 祇園新地甲部組合取締の杉浦京子さんは「今できることを精いっぱいやりたい」と能登に思いを寄せ「舞をご覧いただき、心和んでもらいたい。金沢三茶屋街と、京ならではの井上流の舞の対比を楽しんでほしい」と話した。

  ●20日からチケット発売

 第21回金沢おどりは9月20~23日に金沢市の県立音楽堂邦楽ホールで、各日午後1時、同4時に開演。祇園甲部の芸舞妓は22日に出演する。チケットは今月20日から一般発売する。

 舞台は金沢三茶屋街合同の素囃子(すばやし)「風流船揃(ふなぞろい)」で幕を開け、「寄加能賑芸妓舞(よせつどうかのうのにぎわいはなのまい)」と題して大和楽でつづる舞踊絵巻全九景を繰り広げる。

 入場料はプラチナ席(指定、プログラム付き)9千円、S席(指定)8千円、A席(自由)7千円で、22日は千円増。北國新聞イベントガイドで購入できる。

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