大行燈、間近で堪能 津沢夜高祭 初の特別観覧席、まち歩き

大行燈を間近で見物する特別観覧席の参加者=小矢部市津沢

 小矢部市無形民俗文化財の津沢夜高あんどん祭(まつり)は最終日の8日、初めて有料の特別観覧席が設けられた。席を予約した市内外の参加者41人が活気にあふれる祭りの中、ガイドとともにまち歩きを楽しみ、高さ約6.5メートルの大行燈が激しく衝突を繰り返す「ぶつかり合い」を間近で見物した。

 観覧席は津沢あんどんふれあい会館2階に設けられた。富山県、市、市観光協会、津沢夜高行燈保存会が連携した3種類の旅行商品が用意され、参加者は地元食材を使った弁当や地酒を味わい、行燈を再利用したワークショップを楽しんだ。

 まち歩きでは、大行燈の巡行路を散策し、津沢神明社を参拝した。曲がりくねった狭い道路を大行燈が通る場面にも出くわし、曳き手が熟練の技を見せて建物すれすれに抜けると、参加者は盛んに拍手を送った。

 台湾出身で高岡市の会社に勤める李宗達さん(41)は「迫力があり、感動した。行燈の細やかな絵がすてきで多くの外国人に魅力を知ってもらいたい」と語った。

 ぶつかり合いは午後9時過ぎに始まり、特別観覧席では保存会の会員が祭りの魅力を解説した。

  ●大中小の行燈21基細工や色彩審査

 津沢夜高行燈保存会の「津沢夜高行燈コンクール」は7日開かれ、審査員が大中小21基の行燈の細工の精巧さや色彩の美しさなどを吟味した。結果は次の通り。

 ◇大行燈▽金賞・小矢部市長賞 上町▽銀賞 浦町▽銅賞 清水

 ◇中行燈▽金賞・市議会議長賞 鴨島▽銀賞 西島▽銅賞 南部

 ◇小行燈▽金賞 興法寺▽銀賞 西部▽銅賞 新西

© 株式会社北國新聞社