国産有機肥料の流通増へペレット化に設備投資 岩手コンポスト

新たに導入した堆肥をペレット化する機械。良質な有機肥料の製造販売強化で、農家負担の軽減と食の安全につなげる

 産業廃棄物処理業の岩手コンポスト(花巻市石鳥谷町、資本金3千万円、菅原優社長)は本年度、主力事業とする有機肥料の製造販売を強化する。汚泥などを発酵させた自社製堆肥をペレット化する機材を導入。散布量が従来の半分以下で済む高濃度商品を売り出す。輸入に依存する化学肥料の高騰が続く中、良質な国産肥料の流通を広めて農家の負担を減らし、食の安全を後押しする。

 同町新堀の旧保管倉庫(約2400平方メートル)を改修し、1時間で1トンの堆肥をペレット化する機械4基と冷却設備を導入。倉庫2棟も新設し、新堀工場として今月、本格稼働した。平日5日間の運転で週140トンの生産を見込む。総額約4億円を投じ、一部は国の国内肥料資源利用拡大対策補助金を活用した。

 1989年創業の同社は県内外から収集した下水汚泥や生ごみなどを高温発酵させ、堆肥化する事業を主力の一つとする。畑作、稲作とも使える粉末タイプの主力商品「コスモグリーン」は1袋(15キロ)500円のところ、ペレット化した商品は同750円ほどでの販売を想定する。

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