【2024最新】 ANAフリート 保有241機まとめ 787多数もバラエティ豊かな機種揃う

松山空港 2024年4月16日撮影 JA981A ボーイング787-10 全日空

ボーイング787のローンチカスタマーとしても知られる全日本空輸(ANA)。全世界で最も多くの787を運用しており、2024年3月からは国内線仕様の787-10型機の運航を開始するなど、まだまだ数を増やしています。その一方、ホノルル線専用機材として運航するエアバスA380-800型機をはじめ、エアバス機も多数保有。787だけでなく、バラエティに富んだ機材構成をしているのも特徴です。今回は、そんなANAが保有する全機材をまとめて紹介します。

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■ANA運用中機材総まとめ! 機種はバラエティ豊か、最多はどの機材?

© FlyTeam JA8342さん羽田空港 2024年3月20日撮影 JA830A ボーイング787-9 全日空

2024年5月末現在、ANAは合計241機の機材を保有しています。このうち旅客機は230機で、貨物機は11機。ANAウィングスが運航する24機のボンバルディアDHC8-Q400型機も含みます。保有機材のうち、最も多い機種はボーイング787-9型機で、43機を運用中。各機材の内訳は以下の通りです。

機材 機数 備考
A380-800 3 「FLYING HONU」 ホノルル線専用機材
787-10 7 国際線向け3機、国内線向け4機(7機追加予定)
787-9 43
787-8 34
777-300,300ER 18
777-200,200ER 10
767-300ER 15
737-800 39
A320neo 11
A321neo 22
A321ceo 4
DHC8-Q400 24 ANAウィングス保有機材
767-300F,300BCF 9 貨物機
777F 2 貨物機

<国内線の“新フラッグシップ”、レアな国際線向け機材も 787-10>

2019年から2022年にかけて国際線向けの機材が3機導入され、今年からは新たに国内線向けの機材の導入が開始された787-10。787シリーズの中で最も長いこの機材を保有するのは、日本ではANAのみです。国内線向け機材は合計11機が今後導入され、新たな“国内線フラッグシップ”としてボーイング777シリーズを置き換えていきます。一方、国際線向けの機材は新たな導入計画が今のところなく、3機のみの“レア機材”となっています。

© FlyTeam vanyoraskyさん福岡空港 2024年3月30日撮影 JA981A ボーイング787-10 全日空 © FlyTeam amarumeさん成田国際空港 2022年12月23日撮影 JA902A ボーイング787-10 全日空

<保有数世界最大! 国内外でマルチに活躍中 787-9>

2014年から導入されたボーイング787-9型機。ANAの中でも最も多い機材であり、世界中の同型機のオペレーターの中でも、保有数は最大を誇ります。導入当初は主に国際線で運用されていましたが、2022年からは国内線向け機材の運航も開始。現在は北米・ヨーロッパなどの長距離国際線から中近距離国際線、国内幹線まで幅広く活躍しています。

© FlyTeam Yagamaniaさん新千歳空港 2017年4月17日撮影 JA833A ボーイング787-9 全日空

特別塗装機も豊富で、「R2-D2 ANA JET」塗装をはじめ「ANA Green Jet」、「ピカチュウジェット」など、人気を集める塗装機を多数運航中です。

© FlyTeam マグロさん羽田空港 2024年4月7日撮影 JA873A ボーイング787-9 全日空 © FlyTeam mamuuushiさん成田国際空港 2023年3月20日撮影 JA871A ボーイング787-9 全日空 © FlyTeam yonsuさん羽田空港 2023年12月2日撮影 JA894A ボーイング787-9 全日空

<初期導入機材はAirJapanへ 787-8>

ANAは787-8型機を2011年より導入し、現在は34機保有。787シリーズのローンチカスタマーでもあり、同型機を世界で最も多く保有する航空会社でもあります。導入当初は、各機材の前方に大きく「787」の文字が描かれた塗装が施されていたことも特徴。特に初号機「機体記号:JA801A」と2号機「JA802A」には、白と濃紺の縞模様が描かれており、ファンからは「サバ(鯖)」の愛称でも親しまれていました。現在、初期導入機のうち「JA803A」と元「サバ」のうちの1機である「JA801A」は、ANAが設立した新ブランド・AirJapanに移籍し活躍中。このほかの機材は現在でもANAで活躍しており、主に国内線やアジア・北米大陸への国際線に投入されています。

<“空飛ぶウミガメ”はホノルル線で活躍中 超大型機・A380-800>

総2階建ての超大型機として知られるA380。ANAは日系航空会社としては唯一、A380を3機保有しています。「FLYING HONU(空飛ぶウミガメ)」の愛称で親しまれており、3機それぞれに色違いのウミガメの塗装が施されているのも特徴です。2019年より導入が開始されましたが、コロナ禍に伴い2020年からしばらくの間定期運航を休止。特に3号機の「JA383A」は、当初2020年4月にANAに引き渡される予定でしたが、実際の引き渡しは2021年10月と約1年半の遅れでした。その後もしばらくは定期運用に就くことはなく、2023年10月にようやく営業運航を開始しました。現在は全機が、元気に成田とホノルルを往復しています。

© FlyTeam よつばさん成田国際空港 2023年7月22日撮影 JA381A エアバスA380-841 全日空 © FlyTeam アルビレオさん成田国際空港 2023年12月22日撮影 JA382A エアバスA380-841 全日空 © FlyTeam islandsさん成田国際空港 2024年4月13日撮影 JA383A エアバスA380-841 全日空

<長距離国際線フラッグシップも退役発生中 777-300/300ER>

主に北米・ヨーロッパ路線などの長距離国際線で活躍するボーイング777-300ER型機。ライバルの日本航空(JAL)では退役機が発生していませんが、ANAでは15機が既に退役しており、現在13機を運用しています。退役した機材はいずれも比較的機齢が高いもので、コロナ禍の最中にあった2020年12月以降に運用を離脱。現在、2010年以降に導入された、比較的機齢の浅い機材が残っています。このうち、「JA784A」には「イーブイジェット」特別塗装が施されています。

© FlyTeam カシオペア座掴み取り大会さん羽田空港 2024年1月27日撮影 JA792A ボーイング777-381/ER 全日空 © FlyTeam のーきさん成田国際空港 2024年2月24日撮影 JA784A ボーイング777-381/ER 全日空

一方、国内幹線をメインに投入されているのが777-300型機。こちらはライバルのJALでは既に全機退役済みですが、ANAではいまだに5機が運用中です。座席数は国内線向けの機材としては最大の514席。最古参の「JA751A」は1998年に導入された機材で、国内線向けの787-10が導入されたこともあり、去就が注目されます。

© FlyTeam Ailes ハネッコさん羽田空港 2024年3月29日撮影 JA755A ボーイング777-381 全日空

<完全退役の足音近づく国内線機材 777-200/200ER>

ANAは現在、777-200型機および200ER型機を12機保有。現在はER・非ERを問わず、全機が国内線に投入されています。こちらも、1995年から2004年までに導入された比較的古い機材の退役が進んでおり、現役最古参は2005年3月に導入された「JA713A」で、機齢は約19年。座席数が近い787-10の導入により、今後は退役が加速するものとみられます。

これまでに特別塗装機も多数運航。胴体全体が黄色く塗装された「JA743A」の「C-3PO ANA JET」や、2024年4月で終了した「JA745A」の「鬼滅の刃 じぇっと ‐参‐」などが印象的です。

© FlyTeam ko627taさん福岡空港 2024年3月13日撮影 JA745A ボーイング777-281/ER 全日空

<787-8より若い機材も!?旅客型767-300ER>

かつてのANA中型機の主力として活躍していた旅客型のボーイング767-300ER型機も、経年機から退役が進み、現在は15機まで数を減らしています。同型機の現役最古参は2002年8月に導入された「JA608A」で、機齢は約22年。一方、2011年から導入された、翼端にウィングレットを備えた比較的新しい機材も存在しています。その中でも「JA625A」以降に導入された機材は787初号機よりも機齢が若く、「新型機よりも新しい旧型機」という逆転現象が発生しています。

© FlyTeam infidelさん福岡空港 2024年5月13日撮影 JA611A ボーイング767-381/ER 全日空 © FlyTeam Souma2005さん羽田空港 2024年5月2日撮影 JA625A ボーイング767-381/ER 全日空

<ナローボディ機の主力機材 737-800>

ANAのナローボディ機の中で最も多く運用されている機材が、ボーイング737-800型機です。かつてANAは短胴型の737-700型機も所有していましたが、2021年をもって全機が退役。ANAが現在保有する唯一の737シリーズでもあります。国内線で幅広く使用されている機材でもあり、導入された全40機のうち、ソラシドエアに移籍した1機を除く全39機が現役で運用中。2025年からは後継機の737-8MAX型機の導入が開始されますが、しばらくの間は主力機材として各地で姿を見ることができるでしょう。

© FlyTeam @たかひろさん関西国際空港 2024年3月8日撮影 JA63AN ボーイング737-881 全日空

<737だけじゃない! 国際線でも活躍するナローボディ機 A320neo>

先ほど紹介した737-800のほか、ANAはエアバスA320シリーズの機体も保有しています。このうち、A320neoは2016年より導入が開始された機材で、現在は11機が運用中。737-800と異なり、国内線だけではなく中国などの近距離国際線にも使用されています。なお、かつては従来型のA320ceoも運用していましたが、2022年をもって全機が退役しています。

© FlyTeam Sharpieさん富山空港 2024年3月10日撮影 JA215A エアバスA320-271N 全日空

<一度退役したけど戻ってきた A321ceo/A321neo>

ANAはA320シリーズのうち、長胴型であるA321ceoとA321neoも所有しています。このうちA321ceoは、2007年に一度全機が退役した後、2016年に再び新造機を導入するという珍しい経緯を持つ機種でもあります。現在、A321ceoは4機、A321neoは22機が運用中で、いずれも国内線で運用されています。

© FlyTeam 弁当箱さん中部国際空港 2024年3月27日撮影 JA111A エアバスA321-211 全日空 © FlyTeam にっさんさん岡山空港 2024年4月26日撮影 JA150A エアバスA321-272N 全日空

<緑色の「エコボン」でもお馴染み 地方路線向けターボプロップ機 DHC8-Q400>

ANAウイングスが運用するボンバルディアDHC8-Q400型機。主に地方路線に投入されているターボプロップ機で、現在24機が運用中です。ANAのDHC8-Q400といえば、緑色をまとった「エコボン」塗装を思い浮かべる人も多いはず。2011年から18年まで3機が「エコボン」仕様で運航されていましたが、一度全機が退役。2023年10月からは「ANA Future Promise Prop」として「JA461J」が「エコボン」を彷彿させる緑色の塗装を纏って運航中です。

© FlyTeam ゆうっちさん伊丹空港 2024年2月17日撮影 JA858A ボンバルディア DHC-8-402Q ダッシュ 8 ANAウイングス © FlyTeam 釣りの神チョロ松さん松山空港 2024年3月8日撮影 JA461A ボンバルディア DHC-8-402Q ダッシュ 8 ANAウイングス

<貨物機>

ANAは貨物機として、767-300F型機と777F型機を運用中。機体に「ANA CARGO」のロゴが入っているのも特徴です。767-300Fのうち、一部機材は旅客型から貨物型に改装された「BCF」と呼ばれる機体。機体記号末尾に「F」が付かない貨物機は、元旅客型として見分けることができます。

© FlyTeam Huang ChengJenさん台湾桃園国際空港 2023年5月28日撮影 JA604F ボーイング767-381F/ER 全日空 © FlyTeam mamuuushiさん成田国際空港 2023年11月19日撮影 JA8664 ボーイング767-381/ER(BCF) 全日空

一方、777Fは全機が貨物機として新造された機体。2019年に2機のみ導入された、ANAの中でも「レア」な機材です。

© FlyTeam mocchyさん成田国際空港 2023年4月1日撮影 JA771F ボーイング777-F81 全日空

<今後の新機材導入予定 737MAX&777X>

今後導入される新機種は主に737MAXと777Xの2つ。このうち777Xは777シリーズの後継機として開発が進められている機材で、旅客型の777-9を18機、貨物型の777-8Fを2機、合計20機発注しています。当初は2020年度に導入される予定でしたが、開発の遅れもあり導入時期は延期。開発元のボーイングは、2025年に航空会社向けの初号機を引き渡すとしています。

一方、737-8MAXは2025年5月より30機が順次納入される予定。機体記号は「JA030A」から「JA059A」までが予約登録されています。2025年度中には4機が導入される見込みで、737-800を置き換えていきます。

この他、受注残がある787-10、9などの機材も順次導入される予定です。

以上、ANAが現在保有している機材と導入予定の機材についてまとめました。新たな機材はもちろん、退役が近い機材についても今のうちに記録を残したり、狙って搭乗してみたりするのもいいかもしれません。

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