米軍の大型無人偵察機MQ4C 沖縄嘉手納に2機目が飛来 配備完了で本格運用か 中国を念頭に情報収集へ

 米軍が沖縄県の嘉手納基地に一時配備を計画している米海軍の大型無人偵察機MQ4Cトライトンの2機目が9日午後3時40分ごろ、嘉手納基地に飛来した。防衛省関係者が明らかにした。嘉手納基地海軍駐機場の格納庫内にMQ4が2機駐機しているのが確認された。米軍はグアムから2機を移駐する計画だったことから、これで一時配備が完了したとみられる。1機目は5月20日に飛来した。

 米軍は2機がそろったことで中国などを念頭に情報収集や警戒監視の強化に向けて、本格的な運用を開始する見通しだ。嘉手納基地には昨年10月から空軍の無人偵察機MQ9(8機)が無期限で配備されている。

 沖縄県や基地周辺自治体は基地機能の強化につながるとしてMQ9の無期限配備、MQ4の一時配備のいずれにも反対している。

 米軍はMQ4の2機目について9日午後6時から午後10時45分の間に沖縄本島周辺を飛行する計画であることを米連邦航空局の航空情報(ノータム)に記載していた。2機目飛来後の同日午後4時45分ごろまでにノータムから計画を削除した。

 防衛省や米軍によると、嘉手納への一時配備は5月から10月まで計画している。運用に伴う隊員約50人も嘉手納基地に移駐する。

 地元の嘉手納町議会は、嘉手納に配備されている米軍機の増加で運用の過密化による航空機事故などを懸念している。

米軍嘉手納基地の海軍駐機場格納庫内に駐機する大型無人偵察機MQ4Cトライトン2機=9日午後5時43分、沖縄県嘉手納町の「道の駅かでな」から撮影

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