デヴィッド・ボウイ、デビュー作のデラックス・エディションが発売

1967年6月1日にリリースされたデヴィッド・ボウイのデビュー・アルバム『David Bowie』のデラックス・エディションが2024年7月26日にリリースすることが決定した。

収録内容

『David Bowie』のデラックス・エディションは、CDとヴァージョン毎に限定トラックを収録したカラー・ヴァイナルの各フォーマットで発売でされ、シングルB面曲などが併録されるほか、ボウイのブレイクのきっかけとなったヒット曲「Space Oddity」のレア・ヴァージョンも収録。このヴァージョンがアナログ盤に収録されるのは史上初めてとなる。

また、収録曲には、マイク・ヴァーノンがプロデュースしたオリジナル・アルバムのステレオ・ミックスのほか、14トラック(2CDヴァージョンには16トラック)を追加収録。その中には、プロデューサーのトニー・ヴィスコンティとボウイとの長年の協力関係における最初の成果となった楽曲群も含まれる。「Let Me Sleep Beside You」「Karma Man」「In The Heat Of The Morning」「London Bye Ta-Ta」の4曲がそれにあたるのだが、そのうち「London Bye Ta-Ta」がアナログ盤に収録されるのは、今回のリイシューが初めてとなる(各LPは輸入盤のみ発売)。

当時の評価

当時の批評家たちによる同アルバムへの評価は次のようなものだった。NME誌はボウイの目新しいサウンドについて「どこを切っても非常に斬新だ」と賞賛し、彼自身のことを「とても有望な才能」と評した。また、メロディー・メイカー誌はこのアルバムを「優れた」プロデュースにより仕上げられた「とびきり聴き応えのある作品」と激賞。同誌はさらに、その時点でボウイがポップ・シーンにさほど大きなインパクトを与えていなかったことに驚きを示した。

他方、ディスク&ミュージック・エコー誌は同作について「ロンドン在住の19歳による、創造性溢れる非凡なデビュー・アルバム」と絶賛し、ボウイ本人に関しては「注目すべき新たな才能」と断言。こうしたレビューからも明らかなように、今回のリイシューはボウイの初期の功績に再び光を当て、彼の先進的な芸術性を新たな世代のリスナーに知らしめることとなるだろう。

ボウイ本人のコメント

後年、ボウイはこのデビュー・アルバムについて、彼らしい自己批判を交えて次のように振り返っている。

「歌詞の面では何かになろうとして、もがいていた感じがある。”何か”とはつまり、短い物語の語り部さ。音楽的な面では、かなり奇妙な作品だ。その当時、何を目指していたのか見当もつかないよ。どうやら、そのルーツは色んなところにあるように思える。ロック、ヴォードヴィル、ミュージック・ホールとか、そういうものさ。マックス・ミラーになりたいのか、エルヴィス・プレスリーになりたいのか自分でも分かっていなかったんだ」

こうした初期の楽曲を聴くと、キャリアをスタートさせたばかりで情熱に満ちた若きアーティストが、自信を持てる楽曲を熱心に形にしていった姿が目に浮かんでくる。デヴィッド・ボウイはこのアルバムに自らの若い心を注ぎ込み、それをしっかりと閉じ込めてみせたのである。

Written By uDiscover Team

© ユニバーサル ミュージック合同会社