【ミャンマー】総司令官「恥知らずな事業者」、責任を転嫁[政治]

ミャンマー軍事政権トップのミンアウンフライン総司令官は、7日に首都ネピドーで開いた会合で、現地通貨チャット安や金価格の高騰が「恥知らずな事業者のせい」だと批判した。軍政は価格安定化に努めていると主張し、金融や経済が混乱している原因が「違法行為」や(米欧による)制裁にあると責任を転嫁している。

ミンアウンフライン氏は、議長を務める国軍の最高意思決定機関「国家統治評議会(SAC)」の会合で、「経済をある程度回復させることができた」と話した。物価の高騰の背景には「(抵抗勢力などによる)さまざまな攻撃」があったとしつつ、国軍が価格の安定化に努めていると強調した。

今年はチャットの実勢レートが下落基調となり、5月末には過去最安値をつけた。現地通貨安に伴い、国内の資金逃避先として人気がある金の価格が高騰。軍政は両替商や金販売店の取り締まりを強化し、数十人の事業者を拘束した。

経済発展に向けては、農畜産業の振興と輸出拡大を進める考えをあらためて示した。使われていない土地400万エーカー(約162万ヘクタール)で、油料作物などとしてヒマワリを栽培させる方針だ。

安全保障上では、「テロリストによる治安拠点への攻撃が続いている」(ミンアウンフライン氏)という。市民には安定化への協力を呼びかけた。

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