モディ首相が3期目正式就任、与党勢力後退で政権のかじ取り難しく

YP Rajesh Chris Thomas

[ニューデリー 9日 ロイター] - インドのモディ首相は9日、大統領官邸での宣誓式を終えて正式に3期目の政権を始動させた。先の下院選挙で圧勝が予想された与党連合は、実際に思ったほど議席を伸ばすことができず、政権のかじ取りはこれまでよりも難しくなりそうだ。

モディ氏はインドの高度成長と国際的な地位向上を実現した半面、雇用や物価、格差の問題などで国民の間に不満が広がっていることが、今回の選挙結果で浮き彫りになった。

専門家によると、こうした課題に対処していく上でモディ政権は今後、地域政党や野党などとの対話を通じて合意を形成する政治姿勢が求められる。

また連立与党のパートナーが多数派を握る州から開発予算の配分増加を迫られたり、モディ氏の属するインド人民党(BJP)が党勢挽回のために福祉予算拡充を要求したりする可能性が出てくることから、財政規律を維持できるかどうか懸念されるとの声も聞かれた。

戦略国際問題研究所(CSIS)のリック・ロッソー氏は、連立与党のパートナーの行動が読みにくくなり、場合によってはBJPの意向に反するケースが出てくるかもしれないと警告した。

シティ・リサーチのチーフエコノミスト、サミラン・チャクラボーティー氏はモディ政権の政策について、インフラ整備や工業、ハイテク産業育成を重視する方針は変わらないだろうが、国内で意見が分かれる改革措置の実行は遅れることもあり得るとの見方を示した。

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