半導体関連は総額158億円に 前年度当初の1・4倍 TSMC効果の全県波及、台湾進出も支援 県補正予算案

菊陽町のTSMCの熊本第1工場=4月、菊陽町(石本智、ドローン撮影)

 熊本県は7日に発表した2024年度一般会計補正予算案で、台湾積体電路製造(TSMC)進出に伴う半導体関連事業費の追加分として41億4千万円を計上した。肉付け後の半導体関連予算は計158億7千万円となり、前年度の当初予算(113億円)比で1・4倍に増やした。

 木村敬知事は選挙戦の公約に、TSMCの進出効果を全県に波及させ、魅力ある地域づくりにつなげると掲げた。

 これを反映させ、補正予算案には知事と市町村長らが連携して各地の未来像を話し合う「地域未来創造会議」の開催費用1900万円を盛り込んだ。人口減少や高齢化に直面する各地域の実情に合った振興策を進める。24年度は全ての地域振興局単位で計11回開く。

 台湾関連の事業に乗り出す中小企業への支援には7億7千万円を確保した。台湾人向けの飲食、サービス業などの事業を始める中小企業に対し、金融機関から融資を受ける際に必要な保証料の一部を県が負担する。台湾での商談会や、現地の商習慣や関税の状況を解説するセミナーを開催し、企業をバックアップする。

 半導体人材の育成では、半導体関連の研修機関へ従業員を派遣する企業を対象に、研修機関までの交通費や宿泊費の一部を県と市町村が支援する。全体事業費として1800万円を盛り込んだ。(嶋田昇平)

© 株式会社熊本日日新聞社