岩井千怜が全英切符獲得 大里、吉本、小祝の黄金世代も確定

岩井千怜が全英行きを決めた(撮影:福田文平)

<宮里藍 サントリーレディス 最終日◇9日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>

8月22日にセント・アンドリュース オールドコースで開幕する海外女子メジャー今季最終戦「AIG女子オープン」(全英)に日本ツアーから出場する日本選手が決まった。今大会終了時のメルセデス・ランキング(MR)上位3人の枠では竹田麗央、小祝さくら、岩井千怜が出場権を獲得。MR4位の岩井は同2位の山下美夢有が昨季MR1位枠ですでに出場資格を有しているため、繰り下がりで2年連続の出場となる。

4位から出て、3バーディ・2ボギーの「71」と伸び悩んだ岩井はトータル6アンダーの6位タイで終え、MRも2位から4位に後退した。昨年大会はトータル23アンダーで制したが、「今年はグリーンが硬くて、バーディチャンスになかなかつけることができなかった。ピンポジションも難しかった」とグリーンに苦しんだ。それでも「悔しい思いのほうが大きいけど、いいショットもあったし、楽しかった」と笑みもこぼれた。

全英の出場が決まったことには「そうみたいですね。ホールアウトしてから聞きました。『今に集中』という言葉が好きで、積み重ねてきた結果。頑張ってきてよかった」と喜んだ。ロンドン郊外のウォルトンヒースGCでの昨年は予選落ち。リンクスのセント・アンドリュースが舞台となる今回は「全米は自分らしいゴルフができた。全英も上位で戦いたい。トップ5に入れるよに頑張りたい」と意気込んだ。

初日「63」のロケット発進を生かせなかった小祝さくらはトータル5アンダーで13位タイだったが、9位タイだった全米女子オープンで獲得したポイントが反映されたことで、MRは3位をキープした。3度出場の全米以外では初のメジャー参戦。2年前にセント・アンドリュースで開催された「全英オープン」はテレビで観戦し、自動車事故から奇跡の復活を遂げたタイガー・ウッズ(米国)の姿が強く印象に残っているという。

「ウッズ選手が泣いていたのを覚えています。そこで自分が実際にプレーすることが楽しみ。すごく難しそうだし、不安もあるけど、しっかり調整したいです」。日本ツアーは同じ週に所属先が冠スポンサーの「ニトリレディス」がある。アマチュアだった2014年から昨年まで10年連続で皆勤だった地元北海道での大事な試合だが、今年だけは聖地で開かれるメジャーを優先する。

今大会の優勝者と2位の枠では、優勝した大里桃子と吉本ひかるが出場権を獲得した。3位タイの吉本は2位が山下だったことで初のメジャー出場が繰り下がってきた。7月8日時点の世界ランキング50位以内の選手にも出場資格が与えられるが、現時点では日本ツアーから6人の出場が決まり、大里、小祝、吉本の3人は1998年度生まれの黄金世代。今季の黄金世代の優勝者は大里で5人となり、渋野日向子らの登場で大ブレークした19年の7人に迫る勢いで、統合シーズンだった20-21年に並んだ。米ツアー組の渋野、畑岡奈紗らと合流する全英でもゴールドラッシュといきたい。(文・臼杵孝志)

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