預けたコチョウラン11鉢 木村熊本県知事「回収終えた」 知事選の当選祝い

知事公舎に入居した熊本県の木村敬知事。隣接する知事公邸にはコチョウランの鉢植え2鉢が置かれていた=5月18日(嶋田昇平)

 熊本県の木村敬知事は10日、3月の知事選後に複数の知人らに渡していたコチョウランの鉢植えについて「コチョウラン11鉢は6月8日に回収を完了しました」と明らかにした。県政記者クラブに所属する報道各社にメールで報告した。

 コチョウランは県外の政治家や企業経営者などから当選祝いとして贈られた。これまでの木村氏の説明では、数は合わせて17鉢か18鉢。そのうち11鉢を病院や福祉施設など熊本市内の7カ所に預けたという。政治家や候補者が選挙区内で物品を寄付する行為は公職選挙法で禁じられているが、木村氏は「自宅が手狭で、知事公邸に入るまでの間、預かってもらおうと思った」と話していた。

 熊本日日新聞は、7カ所の一つに当たる市内の病院の待合室に「木村敬新熊本県知事より御花をいただきました」と記されたメモが添えられて飾られていたことを確認している。

 これを報じた後の5月1日の記者会見で、木村知事は「誤解を招いたことを深刻に受け止めている」と強調。回収を急ぐ考えを示していた。

 知事公舎に入居した5月18日には「置くスペースを確保できた」と説明。その時点で回収済みの鉢植えは2鉢だった。それから約3週間で、残り9鉢の回収を終えた。(樋口琢郎)

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