陸前高田で探る支援策 石川の職員が大震災の復興状況など視察

東日本大震災の被災状況などについて説明を受ける高島悠さん(左)と上野香苗さん

 能登半島地震で被災した石川県穴水町で食料支援などに当たる、フードバンク能登の職員2人が6日、岩手県陸前高田市を訪れ、東日本大震災の復興状況などを視察した。被災地の支援ニーズの移り変わりを調べるとともに、復興後の姿を体感することが目的。生活再建やなりわいの再生について意見を交わし、今後の支援策などを探った。

 上野香苗(かなえ)さん(40)=石川県能登町=と高島悠(ゆたか)さん(42)=同輪島市=が、NPO法人陸前高田まちづくり協働センターを訪問。三浦まり江理事長(40)が現地の復旧・復興の過程を説明し「避難所から仮設住宅、高台団地へ、環境が変わるたびに被災者のニーズは多様化していく」と伝えた。

 上野さんは「能登は過疎化と高齢化が進み、被災者の孤立が懸念されている。地域に寄り添い、丁寧なニーズ把握に努めたい」と決意した。今後の生活や将来への不安に直面する被災者が増えているといい、高島さんは「陸前高田のように遅くても必ず前に進めることを証明したい」と力を込めた。

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