【湘南】キム・ミンテ不在の3バックを誰が統率するのか。鈴木淳之介は「僕が周りに引っ張られているだけじゃダメ」

湘南ベルマーレは5月28日に、主将キム・ミンテの負傷(右第4足趾、基節骨骨折)を発表。不動のリベロ(3バックの中央)として君臨していた背番号47が欠場したJ1第16節のジュビロ磐田戦(2-3)と第17節のガンバ大阪戦(1-2)は、いずれも複数失点で敗れた。

磐田戦では右ストッパーが主戦場の大岩一貴が、G大阪戦ではMFの鈴木淳之介がリベロを務めた。どちらも一定の安定感を見せ、特に鈴木淳は持ち前の推進力で攻撃を活性化したと言えるが、やはりキャプテンの不在を感じる部分もあった。それはラインコントロールだ。

普段はキム・ミンテがジェスチャーと声掛けでハイラインを保っている印象だが、直近の2試合は最終ラインの高さが定まらないシーンもあった。大岩や3バックを形成する大野和成、鈴木雄斗もリーダー格の選手だが、ラインコントロールの的確さではキム・ミンテに劣る部分もある。また、CBにコンバートされたばかりの鈴木淳に統率力までを求めるのは酷だろう。

【PHOTO】勝利を願い選手と共に闘った湘南ベルマーレサポーター
では、キム・ミンテ不在時の最終ラインは、誰が中心となって統率するのか。G大阪戦でリベロを務めた鈴木淳は、次のように語った。

「僕が出場したガンバ戦は全体で声をかけ合っていた印象ですね。ミンテさんの動きが目立っているけど、普段からみんなでコミュニケーションを取りながらやれているし、僕が真ん中でやっている時も、その状況を継続したいです」

一方、リベロの統率力の重要性も口にした。

「真ん中のポジションをやるからには、僕が周りに引っ張られているだけじゃダメ。ガンバ戦は左右のふたり(鈴木雄、大野)に助けてもらった部分もありますが、もっと自分発信でやっていかなければいけないと思います」

誰かひとりに頼るのではなく、“全員でコミュニケーションを取る”ラインコントロールの練度を高めつつ、鈴木淳がリーダーシップの面で成長を見せ、キム・ミンテ不在の期間を凌げるか。

リーグワースト2位の32失点を喫している守備の改善が、現在18位の苦しい現状を打破するための鍵を握るはずだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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