アービングのケガさえなければ「2021年はネッツが優勝したかも」現同僚が持論を展開「バックスは勝っていなかった」<DUNKSHOOT>

ケビン・デュラント、カイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンの超強力ビッグ3を擁した2020-21シーズンのブルックリン・ネッツは、チャンピオン候補の最右翼と目されたものの頂点には届かず、わずか1年で解散となった。

ただ、2021年のプレーオフ、彼らにリーグ制覇のチャンスがあったのは間違いない。イースタン・カンファレンスの第2シードを手にしたネッツは、ファーストラウンドでボストン・セルティックスを4勝1敗で撃破。続くカンファレンス・セミファイナルで、ミルウォーキー・バックスとの大一番に臨んだ。

ネッツはハーデンが初戦開始直後に右ハムストリングを負傷して戦線を離脱したが、ホームでの最初の2試合に連勝。第3戦を3点差で落として迎えた第4戦の第2クォーター残り約6分、制限区域内へカットしてデュラントからボールをもらったアービングは、跳び上がってショットを決めた。だが、カバーに入ったヤニス・アデトクンボの足元に着地して右足首を捻挫。この試合に敗れただけでなく、無念の戦線離脱となってしまう。
それでも第5戦でハーデンが強行出場し、ネッツはホームで勝利して3勝2敗と王手。第7戦もデュラントがオーバータイムに持ち込む劇的弾を決めるなど奮戦したが、アービングは最後までコートに戻ることができず、ネッツは3勝4敗でプレーオフ敗退となった。

「ヤニスの足が(アービングの)下になかったら、彼ら(ネッツ)はチャンピオンシップを勝ち獲っていたかもしれない。ミルウォーキーは今もチャンピオンシップを手にしていなかっただろう」

そう話すのは、昨季途中にアービングとともにネッツからダラス・マーベリックスへトレードされたマーキーフ・モリス。米メディア『New York Post』に公開されたインタビューの中で34歳のベテランフォワードは、現チームメイトのアービングのケガさえなければ、ネッツが初優勝を飾っていた可能性があると語った。
なお、現地時間6月9日(日本時間10日、日付は以下同)に迎えたセルティックスとのNBAファイナル第2戦、アービングとモリスが所属するマブズは初戦の大敗(89-107)から挽回して終盤まで競り合うも、最終スコア98-105で敗れたことで2連敗を喫した。

初戦でフィールドゴール成功率31.6%(6/19)の計12得点、2アシストに終わっていたアービングは、16得点に6アシストをマーク。だが3ポイントは2戦合計で8本放って成功はゼロ。第2戦ではステップバックやプルアップから繰り出したジャンパーがなかなか決まらず、得点はペイントエリアとフリースローがほとんどだった。
初戦の大敗から、第2戦は接戦の展開に持ち込んだマブズ。12日にホームで開催される第3戦でシリーズ初勝利を手にするためには、ルカ・ドンチッチの相棒としてプレーするアービングのさらなる奮起が求められる。

文●秋山裕之(フリーライター)

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