瀬戸内の香り楽しんで シラス漁が解禁 鮮度重視の「ちりめん」に加工 広島・呉市沖

広島県呉市沖で、カタクチイワシの稚魚=シラス漁が始まりました。

記者
「午前3時過ぎです。きょうからイワシ網漁が解禁します。こちらの水産会社では日の出から準備の追われています」

呉市倉橋町にある石野水産は、「ちりめん」に加工するカタクチイワシの稚魚、シラス漁を50年以上前から行っています。10日の解禁に合わせて4隻の漁船が船団を組み、宮ノ口港を出港しました。

指揮船がシラスの群れを見つけると、長さ約120mの目の細かい袋網を2隻の漕ぎ船が広げます。そして、ゆっくり移動しながらシラスを袋網に追い込でいきました。

最初の網入れで水揚げされたシラスは、約400㎏でしたが、「初日にしてはまずまず」だということです。

石野水産 石野忠勝 社長
「去年よりは少ないですが、スタートとしてはまあまあじゃないかという感じで。なんとか形にはなったので、これから調整してがんばっていきたいと思います」

品質の良い「ちりめん」にするために重要なのは、鮮度を保つことです。シラスは、すぐに運搬船で加工場に運び、釜でゆでたあと、乾燥します。水揚げからわずか1時間ほどで風味よい「ちりめん」が出来上がりました。

石野水産 石野智恵 さん
「この時期ならではと言ったらあれなんですけど、この風味豊かな新物のチリメンの、そのまま口にふくんで、のどごしって言うんですか、鼻に抜ける瀬戸内の香りを感じていただきたいですね」

シラス漁は、これから海水温が上がる来月から8月にかけて最盛期を迎えるということです。

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