「脚を引っ張るための道具」ホリエモン、政治資金規正法改正に疑問も「さすが自民党ヨイショ側」集まる批判

政治資金規正法改正をめぐる主張に批判が集まった「ホリエモン」こと堀江貴文氏

6月9日、「ホリエモン」こと実業家の堀江貴文氏が『サンデージャポン』(TBS系)に出演。6日に衆院を通過した政治資金規正法改正案をめぐり、持論を述べた。

規正法改正案は自民党が3度、修正し、公明党、日本維新の会などが賛成し可決された。だが、不透明な政治資金である政策活動費も温存されることから、《裏金維持法》がトレンドワードになっていることを番組では取り上げた。

MCをつとめる爆笑問題の太田光は、規正法改正案の成立を受け、こう指摘した。

「政治家が『政治にカネがかかる』というけど、『そういうことは言わないほうがいい』と言ってきた。何の仕事ですら、カネがあったら、もっといい仕事できるってみんな思っているわけじゃない? そのなかで、この程度の予算しかないから、そこで工夫してやるっていうのをみんなやってるわけだから。『政治にカネがかかるんです』『カネがないと、もっといい政治ができないんです』っていう主張はみんなが思っていることだから。どんな商店でも、もっとカネがあれば店をもっと大きくできる、もっとサービスがよくできるっていうのは誰もが思っていることだから。

何も、政治だけが特別、カネがかかるわけじゃないわけで。そのなかで、どうやってやりくりするかっていう工夫をみんなしているわけで。『政治にカネがかかるからしょうがないでしょ』っていうのは、その工夫ができませんって言っている宣言と一緒で。それは、経済を立て直そうって言っている人たちが、自ら敗北宣言しているようなことと一緒と、俺には聞こえる」

太田の発言に対し、見解を求められた堀江氏は、まず「そろそろ次の問題に行ったほうがいい」と述べたうえで、こう語った。

「どんどん厳しくしてもいいと思いますけど、そうするとすごいやりにくくなると思います。細かくしすぎると重箱の隅をつつけるようになる。『政治的に流れを変えたい』『この政党をつぶしたい』『この総理をつぶしたい』というときに、どうでもいいような『重箱の隅つつき』がどんどん可能になっていくわけです。

とある大学教授が、裏金問題とか調べるのが好きなマニアみたいな人がいて、その人が告発したことが最初の発端になっている。そういう人たちが、政治家が有能であるかどうか関係なしに、『こいつ違反している』と交通違反の取り締まり、一時停止を無視するところに警察が待っていたりする、みたいな感じになっている」

さらに堀江氏は、「有能な政治家の方々が、裏金問題で追放されたりしているわけです。それって、国家にとっていいことなの? 悪いことなの? 金額の問題でいったら、『1円でも賄賂は賄賂』という人がいるけど、そんなことやっていて、有能な人たちの脚を引っ張ってどうするんだ? と。カネには完全に潔白で真っ白だけどボンクラな政治家と、どっちがいいの? という話で」と主張。

政治資金パーティー券購入者の公開基準を「5万円以上」まで引き下げることに、「5万円まで下げたら相当、細かくなりますよ。どこまで細かくするんですか? 脚を引っ張るための道具として、この政治資金規正法が使われている」と語った。

前日の6月8日に福岡市で講演をおこなった、自民の麻生太郎副総裁は、こう強調していた。

「政治活動の基盤を維持していくためには、一定の政治資金が必要であることは言うまでもない。透明性をはかることは当然だが、将来に禍根を残すような改革は断固、避けなければならない」

麻生氏の主張と重なるような考えを堀江氏が述べたことに、Xでは批判的な声が殺到した。

《裏金問題、政治資金規正法、ホリエモンの主張は全くおかしい。さすが自民党ヨイショ側の人間の主張》

《有能な政治家が法律を守ればいいだけの話だと思う》

《政治に金がかかるということと、裏金を作るということは次元の異なる話だ。ホリエモンは意図的に議論を混同させているのかもしれないが。事実、政治資金パーティーは違法ではない。必要だというのも理解できる。ただ、自民党議員がそこから裏金を作って、選挙のためにばらまいていたのは全く違う話だ》

都政への提言に関する著書を緊急出版したものの、6月20日に告示される東京都知事選への出馬は否定した堀江氏。政治資金規正法に関する持論にどれだけ支持を得られるか、ぜひ出馬して訴えてほしいものだが。

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