認定こども園で殺人未遂事件 保育士の女が通園男児の首切りつけ…広がる動揺と不安「耳を疑った」 鹿児島市は指導監査

説明会を実施する認定こども園に入っていく保護者ら=9日、鹿児島市

 鹿児島市の認定こども園で、保育士が男児の首を刃物のようなもので切りつけ、殺人未遂の疑いで逮捕された事件を受け、鹿児島市は10日、園に対し、子ども・子育て支援法などに基づく指導監査を実施した。事件当時の状況などを園長や職員から聞き取った。

 市は8日に園から報告を受けており、9日に事実確認を行っていた。市保育幼稚園課は今後について「まずは監査内容を精査し、問題があれば指導する。市内の他の園には、改めて安全管理や注意喚起をしていく」とした。

 県内の幼保施設関係者に衝撃が広がる。園が加盟する県私立幼稚園協会の上原樹縁会長(59)は「子どもたちを預かる場で安心安全は大前提。あってはならないことと耳を疑った」と語る。「どの園でも起こり得るのではと不安に思う保護者もいるだろう。日頃の教育に着実に取り組んでいくしかない」とした。

 鹿児島市私立幼稚園協会の橋口孝志会長(66)も「子どもを愛し守る立場なのに、何があったんだろうという思い」と驚きを隠さない。「事件の背景が分からず静観するしかない。明らかになった時、協会としてできることを考えたい」と述べた。

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