【光る君へ】吉高由里子がスプーンでウニを食べてビックリ! 平安時代に金属のスプーンってあったの?

NHK2024年大河ドラマ 光る君へ THE BOOK2 (TVガイドMOOK)の表紙( 東京ニュース通信社/Amazon) / Via amazon.co.jp

紫式部を主人公としたNHK大河ドラマ『光る君へ 』。6月9日に放送された第23回『 雪の舞うころ 』では、あるシーンに注目が集まりました。
越前国(現在の福井県北部)にいる主人公まひろ(演:吉高由里子さん)の元に、後に夫になる藤原宣孝(演:佐々木蔵之介さん)がやってきました。
地元の新鮮なウニを殻ごとまひろは宣孝に提供します。その際、ウニを手づかみして銀色のスプーンの柄の部分で殻をこじ開けてから、卵をすくって食べるシーンがありました。
「平安時代に金属製のスプーンがあったの?」とSNSで大きな話題になっています。

実は平安時代に金属製のスプーンがあったんです!

NHKが時代考証をミスったのでしょうか。いやいや、そうではありません。調べてみると、平安時代の貴族階級が箸とともに、木や金属製のスプーンを使っていた可能性が高いことが分かりました。
食品容器などの総合総社である 木村容器のコラム によると、飛鳥時代にあたる6~7世紀ごろに朝廷が中国に遣隋使を派遣した際に、箸と匙(さじ=スプーン)を使う食事作法が伝えられたと伝えられ、平安時代にはすでに宮中で金属製のスプーンが使われていたとみられているそうです。
正倉院には奈良時代ごろの8世紀のものとみられる 銅製のスプーン が残されているほか、神奈川県平塚市の遺跡でも奈良・平安時代の物とみられる金属製のスプーンが 出土しています
さらに『枕草子』の中で清少納言が、食事の際に箸やスプーンが音を立てている描写を 残していました
「御膳(おもの)まゐるほどにや、箸(はし)・匙(かい)など取り混ぜて鳴りたる、をかし」
この記述について、論文「 わが国における食事用の二本箸の起源と割箸について 」で、向井由紀子さんらは「おそらく金属の箸(はし)匙(さじ)であったろうと思われる」と分析しています。
ただし後に、室町時代以降は寺社仏閣以外ではスプーンは使われなくなったそうです。 木村容器のコラム では、武家の時代になり宮中が豊かでなくなったせいか、産業や貿易が進まなかったせいかなど、その理由はハッキリしていないと記しています。

NHKがInstagamに投稿したスプーンでウニを食べるまひろ(吉高由里子)の写真(※2枚目にあります)

Instagram: @nhk_hikarukimie

© BuzzFeed Japan株式会社