「すげえアイデア」壊れたエレキベースの再利用法がロック過ぎる! 楽器愛あふれるリメイクに10万いいね

「ベ椅子」ってこと……? ベースの衝撃の再利用方法が話題です。

大阪市天王寺区のライブハウス「寺田町Fireloop 」の店長・足立浩志さん( @adatinc )が6月4日、X(旧Twitter)に2枚の写真を投稿したところ、約10万件の「いいね」が集まりました。

足立浩志さんXより / Via x.com

1枚目に投稿された写真にはベースのボディが写っています。

ネックやピックアップなどの細かい部分は取り外され、中央には大きな金具が新たに取り付けられています。

足立浩志さんXより / Via x.com

2枚目に投稿されたのは、脚が付いて椅子へと変化したベースの姿。ボディの裏面が座面になっており、座れるようになっています。

どうやら中央に付いていたのは、脚を取り付けるパーツだったようです。

エレキベース独特のツヤに、キャラメル色のボディ。座面が湾曲していて座りにくそうですが……なんだかアンティークの椅子みたいでかっこいい!

「すげえアイデア」衝撃の再利用方法に10万いいね

足立さんは「壊れてどうしようもないベースは、今日から椅子になりました」と言葉を添えています。

まさかのビフォーアフターに、「すげえアイデア」「ベースをベースにした『ベ椅子』」「オシャレすぎる椅子」などたくさんの反響が寄せられています。

「どうせ捨てるなら面白いモノを」

どのような経緯でベースを椅子にすることになったのか――BuzzFeed編集部は、投稿者の足立浩治さんに話を聞きました。

写真を撮影したのは、投稿日と同じ6月4日の午後6時ごろ。リメイクが終わってすぐにXに投稿したそうです。

ーーどのような経緯でベースを椅子にすることになったのでしょうか?

「月1回のスタッフミーティングで断捨離を行っており、故障して数年放置されていたベースをさすがに処分しようという話になりました」

「非常に安価なベースで修理するとしても買い値以上のコストがかかるため、バラして廃棄しようとしましたが、どうせ捨てるなら面白いモノが作れないかとスタッフと考えました。廃棄予定の椅子のパーツが余っていたので、組み合わせてみた、という経緯です」

「1人で作成しましたが、作業時間は電子部品を外したりするのも含めて10分くらいだったと思います」

ベースを演奏するイメージ画像(Getty Images)

ーーサイドテーブルなどにする案もあったと伺いました。

「スタッフ内では時計にしたいという声も多かったです。時計にするためのキットを新たに購入するより、手元に余っている部品でクイックに作れるという理由だけで椅子になりました」

「せっかく作るなら一応でも使えるものにしたかった、という気持ちもあります。椅子のパーツではなく壊れた掛け時計が余っていたら、時計になっていたかもしれません」

ーー作成時に気をつけたことは何かありますか?

「工夫と言うほどではありませんが、座った時に危なくないようにバランスを考えたり、尖っているところを削ったりはしています」

再利用のチャンスを「常に少しは狙っていた」

ライブハウスのイメージ画像(Getty Images)

ーーこちらのベースは元々ライブハウス「寺田町Fireloop」で使用されていたものでしょうか?

「併設のリハーサルスタジオでレンタル機材として10年ほど前に購入したものですが、1年も経たず故障してしまいお蔵入りになっていたものです」

「修復困難で修復しても改善が見込めないと判断して放置していましたが、楽器を捨てるのは少し抵抗があったので、何かアイデアはないかと常に少しは狙っていた感じです」

ーーちなみに座り心地はいかがでしたか?

「座り心地は正直言ってあまり良くないですが、独特の曲線が面白い座り心地で気に入っています」

「『座る』を遊ぶという感じが童心に返るようで斬新です。頑丈に作ってはいますが、質感がツルツルなのでおっかなびっくり座るといった感じです」

ーーこちらのベースは、今後もライブハウスで椅子として活用される予定なのでしょうか?

「ライブハウスに来る人は面白いモノが大好きなので、座り心地に関わらず楽しんでもらえると思います。壊れたり危険性が発覚しない限りは、置いておくと思います」

「ただ、『壊れた物とはいえ楽器に座るのは行儀が悪い・好きではない』という声もあります。たいへん理解できるお話なので、これ一つ取っても気持ちの部分は慎重に、大事にしていきたいと考えています」

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寺田町Fireloop 」(大阪市・天王寺区)は、学生時代から音楽関係のベンチャーに関心があった足立さんが立ち上げたライブハウス。現在は店長・オーナーを務めています。

「従来と比べて少しヘンな所があるかもしれません」という言葉の通り、面白いと思ったことや最新技術などはどんどん試して取り入れ、それと同時に伝統もリスペクトしています。

足立さんは「名実ともに優れたライブハウスを常に目指しています」と意気込みました。

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