米国務長官、中東歴訪開始 ハマスに停戦案受け入れ要求

Nidal al-Mughrabi Daphne Psaledakis

[カイロ/テルアビブ 10日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は10日、パレスチナ自治区ガザでの戦争終結に向けバイデン大統領が先月提案した停戦案を受け入れるよう、イスラム組織ハマスに求めた。

ブリンケン氏はこの日、中東歴訪を開始し最初の訪問地であるエジプトに到着。カイロでシシ大統領と会談後記者団に対し、イスラエルは停戦案に同意しており、受け入れていないのはハマスのみと指摘。「中東地域全体の政府に対する私のメッセージは、停戦を望むのであれば、ハマスに(停戦案を)受け入れるよう圧力をかけることだ」と呼びかけた。

会談ではハマスから停戦案を巡り回答を得ることの緊急性が明確になったとしつつも、会談の詳細には踏み込まなかった。

国連安全保障理事会(安保理)はこの日、バイデン氏が公表した停戦案を支持する決議を採択した。ハマスはこれを歓迎し、履行を巡り仲介国と協力する用意があるとした。

先にハマス高官はロイターに対し、ブリンケン長官のガザ停戦に関する発言について「イスラエル側に偏っている」と述べていた。

ブリンケン長官はエジプト訪問後にイスラエルに向かい、同日夕に到着。ネタニヤフ首相との会談で、パレスチナ自治区ガザでの紛争終了後の計画の重要性と紛争の拡大防止の必要性を強調した。

米国務省のマシュー・ミラー報道官によると、ブリンケン長官はネタニヤフ氏に紛争終結後の計画に関連して進められている外交努力について伝えたほか、提示されている提案について、イスラエルとレバノンの国境沿いの平穏などにもつながると改めて強調した。

このほか、紛争終結後のガザ地区の統治と復興の計画についてヨルダンとカタールとの会談でも討議すると述べた。

ブリンケン長官は11日、ネタニヤフ首相が率いる戦時内閣からの離脱を9日に表明したガンツ前国防相とも会談する。その後、ヨルダンやカタールの指導部とも協議する予定。

昨年10月のハマスによるイスラエル奇襲後、ブリンケン長官の中東訪問は今回で8回目となる。訪問中に将来のガザの統治や復興計画についても協議するという。

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