米、ハマスと単独交渉を検討 人質解放へ=報道

[ワシントン 10日 ロイター] - イスラエルが関与するパレスチナ自治区ガザの停戦交渉が失敗に終わった場合、米当局はイスラム組織ハマスに拘束されている米国人の人質5人の解放に向け、ハマスと単独で交渉を行うことを検討している。米NBCニュースが10日、米当局者などの情報として報じた。

報道によると、米国とハマスによるいかなる単独協議もカタールの交渉担当者を通じ行われ、イスラエルは関与しない見通し。

米当局者は、米ハマス間で合意に至れば、米イスラエル関係の緊張が増し、イスラエルのネタニヤフ首相への圧力が増す公算が大きいため、ハマスにとってはインセンティブがあると指摘。ただ、米国が見返りとしてハマスに何を提供するかは明らかになっていない。

ブリンケン米国務長官は10日、バイデン大統領が先月提案した停戦案をハマスが受け入れることを目指し、中東歴訪を開始した。

ブリンケン長官は同報道に対し、「現在交渉が行われている停戦案が、米国人を含む人質全員を帰国させる最善かつ最も効果的な方法」という認識を示した。

イスラエル政府のメンサー報道官はNBCニュースの報道に関する質問に対し、「われわれは全ての国に対し、人質解放に向け可能な限りハマスに圧力をかけるよう呼びかけている」と答えた。

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