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「市民党」を標榜(ひょうぼう)する“2代目”が、市の新しいリーダーに決まった。元民主党の佐藤信(さとうしん)市長の5選不出馬で、32年ぶりに新人同士の一騎打ちとなった鹿沼市長選。元立憲民主党の松井正一(まついしょういち)氏が、自公推薦の小林幹夫(こばやしみきお)氏を退けた。
松井氏は、離党し政党色を消すことに徹すると同時に、派閥の政治資金パーティー裏金事件で逆風にある自民党への批判を「封印」。自民支持層を取り込んだ。「人柄の良さ」や58歳でも「若いリーダー」として「世代交代」を強調。無党派層への浸透も図った。
小林氏陣営は、過去の市長選や県議選のしこりからなかなかまとまれなかった自民党鹿沼支部が一本化。「総力結集」を前面に16年ぶりの市長“奪還”を目指したが、出遅れや逆風が響いた。
「鹿沼は閉塞(へいそく)感が漂っている」などとする小林氏の主張には、松井氏を支持する佐藤市長が激しく反論した。「小林氏と佐藤市長の戦いか」という声も上がるほどだったが、結果として松井氏の票を押し上げた。
投票率は下がった。「市民の総力結集」を掲げる松井氏が、選挙に関心が低い市民をどう巻き込むのか注目したい。