国連、ガザ新停戦案の履行要求 戦闘終結へ圧力、安保理決議

米ニューヨークの国連本部

 【ニューヨーク、エルサレム共同】国連安全保障理事会は10日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、イスラエルとイスラム組織ハマスの双方にバイデン米大統領が5月末に公表した新たな包括停戦案を受け入れ、履行を求める決議案を採択した。停戦案は、イスラエル軍撤収やガザの復興計画を含む3段階からなる。8カ月以上に及ぶ戦闘の終結に向け、国際社会が一致して圧力を強めた。

 ハマスは声明で採択を歓迎し、イスラエルとの間接交渉を進めるため仲介国に協力する用意があると強調した。

 イスラエルのネタニヤフ首相は、バイデン氏がイスラエルの提案だとして公表した今回の停戦案は、イスラエルの認識と「ずれがある」と主張。政権に加わる極右2政党は、停戦案を受け入れれば政権を離脱すると警告しており、難しいかじ取りを迫られている。

 決議案は米国が提出し、安保理15カ国のうち日本や中国を含む14カ国が賛成。ロシアは棄権した。ガザ情勢を巡り、イスラエルを擁護する米国に対してロシアは批判を強めていたが、他国に歩調を合わせ、拒否権は行使しなかった。

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