現場の痕跡から事故解明 鈴鹿で交通鑑識実戦塾、11府県警学ぶ 三重

【自転車と衝突した自動車の破損状況などを確認する若手警察官ら=鈴鹿市稲生町の鈴鹿サーキット交通教育センターで】

 三重県警は10日、鈴鹿市稲生町の鈴鹿サーキット交通教育センターで、若手警察官らが衝突実験などを通じて交通事故捜査を学ぶ「交通鑑識実戦塾」を開いた。交通捜査を担当する警察官らが現場に残る痕跡から事故状況を推定する方法を学んだ。

 交通指導課によると、実戦塾は平成19年度から年1回実施し、今回で17回目。交通捜査の経験が少ない若手警察官のほか、大阪や愛知など10府県警の警察官ら計約130人が参加した。

 この日は自動車同士の衝突実験やブレーキ痕の測定など7項目を実施。自動車でダミー人形をひく実験では、道路や車両底部から人形が着ていた服の繊維を探し、衝突の状況を調べた。

 時速約60キロで走る自動車と人形を乗せた自転車との衝突実験では、破損状況や自動車に付着するヘルメットの色素などを確認。衝突時の自転車の向きや被害者の身長などを推定した。

 同課の磯和克樹交通事故事件捜査統括官は「交通事故捜査は当事者の話だけでなく、現場の客観的資料で総合的に判断する必要がある。今後も技能の習得と向上を図って活躍してほしい」と話した。

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