熊本豪雨被災の沖鶴橋(球磨村)、半分を「送り出し工法」で架設 国交省が復旧工事を公開 

送り出し工法で架設される沖鶴橋の橋桁。国土交通省が球磨村に代行して復旧工事を進めている=5日、球磨村

 国土交通省八代復興事務所は5日、2020年の熊本豪雨で流失した球磨川に架かる10橋のうち、球磨村で進めている沖鶴橋の復旧工事を公開した。現地の球磨川右岸で組み立てた重さ333トン、92メートルの橋桁を「送り出し工法」で、河川中央付近の橋脚へと伸ばして架設した。

 沖鶴橋は、渡地区と三ケ浦地区を結ぶ村道の一部。国交省は22年12月、村に代行して流失前の場所で復旧に取りかかった。仮の支柱を立てて架橋する一般的な工法は、球磨川の速い流れや増水時に危険を伴うため採用しなかった。

 今回の橋桁は、全長182メートルのうちの約半分。約5時間かけて架設した。残る橋桁は今年秋ごろ、同じ右岸側から今回設置した橋桁を押し出す送り出し工法で架ける。工事終了時期と総工費は未定。

 流失した10橋のうち、これまでに西瀬橋が完成。坂本橋、鎌瀬橋、相良橋に仮橋が開通した。沖鶴橋を含む残る6橋も既に着工済み。(東寛明)

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