英国風ガーデンパーク開園、1.5万人 鉄道の展示、疾走も ファンや子供たち喝采 埼玉・鶴ケ島の模型会社

ガーデンパークに展示された軽便鉄道の車両=9日午前、鶴ケ島市鶴ケ丘

 軽便鉄道の車両を展示・保管する「ガーデンパーク」が9日、埼玉県鶴ケ島市鶴ケ丘にオープンした。英国庭園風の設計を取り入れ、鉄道と共に四季折々の草花を楽しむことができる公園だ。初日は開園記念式典やイベントが開かれ、鉄道ファンや市民ら約1万5千人(主催者発表)でにぎわった。

 ガーデンパークは市と、鉄道模型「Nゲージ」の製造を手がける関水金属(本社・東京都)が連携。それぞれ5千万円と1億4500万円を負担し、事業を進めてきた。

 同社の新工場の敷地と、隣接する市の公園「鶴ケ丘児童公園」を一体的に再整備した空間で、広さは約7400平方メートル。

 展示・保管される車両は1948年に製造された軽便鉄道車両の蒸気機関車や発動機搭載貨車、初代西武山口線の34号客車など約10両。敷地内には全長620メートルの軌道が敷かれ、車両を走行させることができる。

 園内は草花の自然な美しさを生かす英国風の「ナチュラルガーデン」の趣を備え、ノカンゾウやワレモコウ、リンドウなどの花が見られる。

 9日の式典には大野元裕知事ら約50人が出席。斉藤芳久市長は「地域の憩いの場、そして鶴ケ島市の魅力を発信しリードする拠点にしたい」と述べた。同社の加藤浩社長は「鉄道模型ファンには趣味のふるさととして誇りに思ってほしい。鶴ケ島市民や県民の自慢の場所となることを願っている」と強調した。

 敷地内で開かれたイベント「Railway Park フェスティバル」には、緑色や黒色に塗装された軽便鉄道の車両が軌道上に並び、来場者が写真撮影などを楽しんだ。市立藤中学校吹奏楽部の演奏やフラ、ジャズなどのダンスが披露されたほか、鉄道模型や飲食物の販売も行われた。

 イベント会場を訪れた鶴ケ島市の猪村夏実さん(33)は、ガーデンパークについて「思っていたよりもすごい。軽便鉄道はかわいい」と感想を語り、「子どもを連れて遊びに来たい。地元がにぎわえばいい」と期待を寄せる。

 電車が好きという川越市の土屋雫さん(4)は「楽しかった。(軽便鉄道に)乗ってみたい」と笑顔を見せ、母親の紗希さん(32)は、敷地内のガーデンに「花が咲くのを楽しみにしている」と話した。

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