長崎日大が20年ぶりV 海星に延長10回2-1 NHK杯長崎県高校野球最終日

【決勝、長崎日大-海星】9回2/3を1失点と好投した長崎日大の渡辺=県営ビッグNスタジアム

 第72回NHK杯長崎県高校野球大会最終日は9日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで決勝と3位決定戦が行われ、決勝は延長十回タイブレークの末に長崎日大が海星に2-1で競り勝ち、20年ぶり5度目の優勝を飾った。長崎日大は昨秋、今春の九州地区県大会に続いて今季3冠目を手にした。
 長崎日大は五回、川渕の左翼線二塁打で好機をつくり、三丸の右前適時打で先制。七回に同点に追い付かれたが、延長十回は三丸の犠打で1死二、三塁とした後、平田の右犠飛で勝ち越した。投げては渡辺が9回2/3を1失点の好投。バックも無失策で守った。
 海星は0-1の七回、田川の中前適時打で1点を返し、延長も無死二、三塁と好機を広げたが、後続を断たれた。
 3位決定戦は0-1の六回、山口の左越え適時三塁打などで逆転した創成館が、九州文化に3-1で競り勝った。
 これで夏前の公式戦は終了。甲子園出場を懸けた第106回全国選手権長崎大会は7月13日に開幕、組み合わせ抽選会は今月14日に実施予定。

◎持ち味の「粘り強さ」発揮 長崎日大

 チームの持ち味である「粘り強さ」を発揮した。先発渡辺の気迫あふれる投球とバックの堅守、足を絡めた手堅い攻撃で接戦を制した長崎日大。投打の歯車がかみ合い、昨秋、今春に続いて、夏の“前哨戦”も制した。
 西尾、三丸の投手二枚看板が目立つ中、決勝はもう一人の3年生右腕が躍動した。初回から130キロ後半の直球を内外角に出し入れしながら、六回まで三塁を踏ませない力投。追いつかれて入った延長十回も無死二、三塁のピンチを背負ったが「自分が優勝に導く」と切れのあるスライダーをコースに投げ込み、3者連続三振に仕留めた。「投」のヒーローは「秋は西尾、春は三丸が投げて優勝した。同級生には負けていられなかった」と胸を張った。
 「打」で試合を決めたのは、延長十回1死二、三塁で打席に立った4番平田。「自分が決めないといけない。覚悟を持って入った」。期待の2年生は甘く入った直球をフルスイング。飛距離十分の右犠飛を放ち、貴重な勝ち越し点を挙げた。
 今大会は1回戦から4試合、終盤までどちらに傾くか分からない接戦を制し続けて頂点に立った。平山監督が「接戦を勝ちきる経験が多く積めたのは良かった」とうなずいたように、本番の夏へ向けて確かな手応えをつかんだ。主将の加藤は「あとは走攻守をもう一仕上げできるか。絶対的な自信をつけて夏に臨みたい」と14年ぶりの甲子園出場を見据えた。

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