生活が苦しく「国保」の支払いが厳しいです…子どもがいるけど支払わず「滞納」するしかないでしょうか?

国民健康保険の保険料はどう決まる?

国民健康保険料は「応益割」と「応能割」でおよそ半額ずつ負担する形で構成されています。

応益割は世帯の人数、応能割は世帯の負担能力に応じて決められる点が特徴です。

また、応益割はさらに「均等割」と「平等割」に分けられ、応能割は「所得割」と「資産割」に分けられます。

各種類の内容は以下の通りです。

__・均等割:子どもを含めた世帯の被保険者数によって税金の負担割合が変動

・平等割:世帯ごとに平等に税金を負担する割合

・所得割:その世帯内における国民健康保険の被保険者の所得に応じて税金の負担割合が変動

・資産割:その世帯内における国民健康保険の被保険者の固定資産税額に応じて税金の負担割合が変動__

4種類すべてを使って国民健康保険料を決める方式を「4方式」、均等割と平等割、所得割を用いる方式が「3方式」、均等割と所得割を用いて決定する方式を「2方式」と呼びます。

どの方式を使うかは自治体の判断にゆだねられているため、確認が必要です。

国民健康保険料が支払えないときに使える制度

もし経済的な事情で国民健康保険料が払えないときは、軽減措置を利用できるケースがあります。

通常の減額制度のほか、子どもがいれば未就学児の軽減措置も受けられるので、チェックしておきましょう。

国民健康保険料の減額制度

所得が一定基準以下の場合、国民健康保険料の減額制度を利用できます。

減額は応益割から行われ、所得状況に応じて7割、5割、2割の減額割合です。

厚生労働省によると、働いている方が夫か妻のみの3人世帯における減額割合ごとの令和5年度の所得条件は、以下の通りです。

__・7割:給与収入98万円以下あるいは所得43万円(※)以下

・5割:給与収入197万円以下、あるいは所得43万円(※)+世帯の被保険者数×29万円以下

・2割:給与収入302万円以下、あるいは所得43万円(※)+世帯の被保険者数×53万5000円以下__

※世帯の給与や年金所得者数が2人以上のときは43万円+10万円×(給与や年金所得者数-1)

子どもの人数が増えたときや両親が共働きだったときは、条件の金額も変動するので自治体に問い合わせておきましょう。

未就学児の軽減措置

子どもがまだ小学校に入学していない未就学児の場合、一律で未就学児の均等割分を半額に減額されます。

東京都中央区によると、未就学児の軽減措置は自動で行われるため、申請は必要ありません。

また、先にご紹介した通常の減額制度も利用している場合は、減額されたあとの金額からさらに半額を減額されます。

国民健康保険料を無断で滞納するリスク

国民健康保険料の支払いが難しくなっても、無断で支払わないままでいるのはやめましょう。

無断滞納とみなされ、督促状が送られたり催告がなされたりする可能性があります。

また、国民健康保険料の滞納は延滞金の対象です。

支払わなければならない金額が増額し、金銭的負担がさらに重くなります。

督促状や催告も無視し続けると、財産の差し押さえにつながるケースもあるなど、無断滞納はデメリットしかありません。

支払いが厳しいと判明した時点で自治体に相談しましょう。

国民健康保険料の支払いが厳しければ軽減措置も活用する

国民健康保険料は、各世帯の人数や負担能力に応じて金額が決められています。

経済的な事情で定められた国民健康保険料が支払えない場合は、減額制度の利用も検討しておきましょう。

また、未就学児の子どもがいる世帯なら、子どもの国民健康保険料は均等割分が半減されており、金銭的負担が軽減されています。

支払えないからといって滞納をすると、延滞金も加わり余計に金銭的負担が増すだけなので、国民健康保険料の納付が厳しいと分かったら自治体の窓口へ相談しましょう。

出典

厚生労働省 国民健康保険制度 国民健康保険の保険料・保険税について
中央区ホームページ

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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