歩いて楽しむ復興探究事業始まる 福島県内の広野町などでセミナー

フットパスに理解を深めたキックオフセミナー

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で避難区域が設定された福島県内の市町村を歩き、復興を感じながら地域の魅力に触れるフットパス事業「歩いて楽しむ復興探究事業」は今年度、広野、富岡、楢葉の3町で始まった。広野町公民館で10日、キックオフセミナーが催され、関係者が地域の良さを実感できるコースづくりへの思いを共有した。

 事業は県観光物産交流協会の主催。今年度はコースづくりを目指す。各町や観光団体などの関係者がワークショップや現地視察を実施する。暫定コースを設け、体験イベントを開く。来年度にコースを決定する。国内の愛好者やインバウンド(訪日客)向けに動画やマップで発信し、風評払拭や地域のにぎわい創出、交流人口の拡大につなげる。

 セミナーには関係者約40人が参加。県観光物産交流協会の守岡文浩理事長が「楽しいコースをつくり、情報発信する。地域のファンを増やしたい」と決意を示した。遠藤智広野町長、竹原信也富岡町副町長、松本栄樹楢葉町副町長、小沢晴司宮城大教授・福島大客員教授があいさつした。日本フットパス協会企画委員の北浦鑑久さんらがフットパスの特徴や魅力を紹介した。

 事業は2022(令和4)年度に田村、川内、葛尾の3市村、2023年度に南相馬、浪江、飯舘の3市町村で始まった。

(相双版)

© 株式会社福島民報社