合戦場のしだれ桜「非常に厳しい」 根腐り花付き悪く 福島県二本松市

「合戦場のしだれ桜」=4月13日撮影

 福島県二本松市東新殿のベニシダレザクラの名木「合戦場のしだれ桜」が今春、これまでになく花付きが悪く、診断した樹木医から「非常に厳しい状態」との診断を受けた。診断結果では枯れ枝が多く、樹木に栄養を送っていた太い根が排水不良、酸素不足を起こして腐ったとみられている。10日に行われた二本松市の6月定例議会一般質問で明らかになった。

 市によると、樹木医の診断結果では枯れた枝は剪定する必要があり、剪定後、樹形は一回り以上小さくなり、元には戻らないとされる。

 桜は推定樹齢200年の二本松市指定天然記念物。合戦場のしだれ桜保存会、岩代観光協会、有志などが樹勢回復プロジェクトを発足させ、市の補助金などを活用し、施肥、栄養剤の散布や枯れ枝の剪定、土壌改良などの対策をを今後3年間で集中的に実施していく考え。

 保存会は2021年度から、市の補助金を活用し、土の入れ替えや殺菌処理、枯れ枝の剪定などで樹勢回復を図ってきた。

 保存会は活動費の寄付を募っている。問い合わせは岩代観光協会へ。

(県北版)

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