地元守るヒップホップ魂 アーティストら火災復興支援ライブ 福島県いわき市

ライブ会場前で募金を呼びかける樋口さん

 福島県いわき市のJRいわき駅前の繁華街で13棟が焼損した火災で、地元のヒップホップアーティストら若者が支援活動を始めた。ヒップホップでは地元を意味する「Hood(フッド)」を大切にする文化があり、チャリティーの無料ライブを開いた樋口陸斗さん(25)は「自分を育ててくれた地元に還元したい」と思いを語る。

 7日に市内のクラブソニックいわきで開いたライブには「Frank(フランク)」という名前で活動する樋口さんら8組が出演。会場前では出演前の樋口さんが募金箱を持って立ち、訪れた客に寄付を呼び掛けた。

 樋口さんは会社勤めの傍ら、ヒップホップ文化を広めようと定期的に無料ライブを主催している。市内を襲った2019年の東日本台風や昨年の台風13号では被災地の片付けにボランティアで参加したという。

 5月26日に市内平田町で起きた大規模な火災では知人の店舗も被害を受けた。「地元が困っている時に自分にできることをしたかった」と火災からの復興プロジェクトとしてライブを企画した。

 募金の主体は市内で飲食店などを経営する「BRIDGE」が担い、樋口さんらが協力して市内の約40店舗に募金箱を設置した。8月まで寄付を募る予定で、集まった募金は市内のNPO法人を通じて公的な機関に届けるとしている。

(いわき版)

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