【初夏のガーデニング】憧れのホワイトガーデン。白い花で梅雨時期をさわやに過ごす

うっとうしい梅雨空、大雨も続いて、園芸愛好家はすっかり肩を落としているのではないでしょうか。本来、植物がよく育つこの時期は本格的な暑さに備え、夏の準備をしたいところです。暗くなりがちな庭やベランダを明るく彩る白い花を咲かせませんか。白い花の種類はとっても豊富です。

★梅雨入り前後にすること★

日陰を明るく、どんな色とも合わせやすい白い花

梅雨空が続いてどんよりした日々、日当たりが悪くて暗い庭にも、おすすめしたいのが白い花です。白い花は暗い場所を明るくして、爽やかな雰囲気を演出します。花色にこだわるイングリッシュガーデンでは、白花ばかりを集めるホワイトガーデンが古くから人気です。

日本の結婚式場にも近年はホワイトガーデンをよく見ます。ホワイトガーデンが成り立つくらい白い花の種類は豊富! しかも、白い花はどんな花色ともよく似あいます。赤や紫色のようなくっきりした花色を和らげ、ピンクや水色のような優しい色に溶け合うので重宝です。

すでに好みの植物が植えてある庭やベランダに「もうひとつ」植えたいと思うなら、白い花を植えると間違いありません。似合いそうもない花色同士にも、間に白花をはさむとよい感じにまとまりますよ。

花形いろいろ、梅雨空に映える白い花10選

庭やベランダの景色を一変させる【カラー】

草丈:30~100㎝
開花期:6~7月

多年草。ウエディングブーケによく利用される白花で、鉢花ではカラフルな花色の品種も流通。同じ株を直径18㎝の6号鉢で育てると草丈30㎝ほどで、庭植えすると100㎝ほどに。珍しい花形で大きくなるとインパクトがあります。冬に地上部が枯れても翌春発芽します。

切り戻して晩秋まできれいに楽しむ【ペチュニア】

草丈:10~30㎝
開花期:4~11月

晩春から8カ月ほども咲き続ける優秀な一年草。赤、紫、黄色、黒に見える濃い紫、花弁が白く縁取られるものなど、多彩な園芸品種があります。なかで白花は吊り鉢に植えて木陰を飾るのもすてき。伸びる茎の先端に開花するので、部分的に切り戻して整枝しながら楽しみます。

レースのような繊細な花が群れ咲く【オルレア】

草丈:約60㎝
開花期:5~6月

花後の暑さに弱いため一年草扱いの多年草。羽状の葉を茂らせ、レースのように軽やかで繊細な花を咲かせます。茎がやや倒れやすいので、緩く囲える支柱などを添えるとよいでしょう。花後にとげにおおわれたタネができたら、秋に鉢や庭に直まきすると来年開花します。こぼれダネからもよく発芽します。

風になびくような涼感ある佇まい【オカトラノオ】

草丈:40~100㎝
開花期:6~8月

日本をはじめとする東アジア原産の多年草。まっすぐ伸びる茎の先端に15㎝ほどの花穂が横向きにつき、風になびく風情があります。暑さ寒さに強いものの、冬は地上部が枯れて地下茎を伸ばし、群生するのが特徴です。日当たりのよい花壇の後方などに適します。

日陰でも長くたくさん咲き続ける【インパチエンス】

草丈:20~40㎝
開花期:5~11月

冬越しに10℃以上が必要な多年草で一年草扱い、初夏から晩秋までよく咲きます。仲間のニューギニアインパチエンスや、大株に育つ園芸品種の‘サンパチエンス’も人気。日陰でも多くの花を咲かせますが、ロマンティックなバラ咲きの園芸品種は日陰で花つきが減ります。

ナチュラルな雰囲気が愛される【リクニス】

草丈:30~40㎝
開花期:6~10月

ヨーロッパ原産の多年草。しっかりした茎にたくさんの小花を咲かせます。リクニス・コロナリアは白と濃いピンクの花があり、シルバーの茎葉も魅力。切れ込みの入る花弁が繊細な印象の‘ホワイトロビン’も人気があります。夏の暑さが苦手ですが、こぼれダネでもふえます。

小花が集まり野趣ある存在感【アキレア(ノコギリソウ)】

草丈:30~120㎝
開花期:5~8月

北半球の高山にも生える多年草で、日本に帰化したセイヨウノコギリソウが園芸植物として流通。赤や黄色などの花色もあり、のこぎりのようなギザギザした葉っぱをもち、小花を集めた花序とあわせてワイルドな佇まい。暑さには強いものの蒸し暑さは苦手です。

花咲くカーテンにも仕立てられる【プルンパーゴ(ルリマツリ)】

草丈:30~300㎝
開花期:6~10月

熱帯原産の半つる性花木。自立しない半つる性の枝を旺盛に伸ばしながら、白や水色の花を群れ咲かせます。吊り鉢から枝垂れさせたり、ベランダや軒先を利用してグリーンカーテンのように仕立てると涼しげです。樹木なのでうまく冬越しできれば、毎年花が楽しめます。

雨でも傷みにくい林立する花穂が魅力【アスチルベ】

草丈:30~80㎝
開花期:6~7月

寒冷地では冬に地上部が枯れる多年草。日本原産のアワモリショウマなどの仲間で、東アジアや北アメリカに分布します。綿菓子のような大きな花穂は赤やピンクもあり、雨に強く、大株に育つと林立して見事です。日陰でも育てやすいものの、夏の乾燥を嫌うので株元をマルチング。

涼やかで印象的な花と実が楽しめる【ニゲラ】

草丈:30~100㎝
開花期:5~6月

クロタネソウとも呼ばれる一年草。細かな羽状の葉と不思議な花形が印象的、花後に結ぶ大きな実も楽しめます。実はドライフラワーとしても人気です。花はほかに水色やピンクもあり、混植してナチュラルな雰囲気を楽しんでもよいでしょう。日当たり風通しよい場所で。

ニゲラの実

多彩な花形を組み合わせ、さし色もきかせよう

今回はできるだけさまざまな花形の白い花を紹介しました。いくらすてきな白花でも、同じような花が並んでいてはそれぞれの個性が引き立ちません。花色が同じだけにできるだけ花の形や大きさ、草丈の異なるものを組み合わせましょう。

また、最初にも触れたように白花は組み合わせる花色を選びません。違う花色をさし色に添えることで、白の高貴な美しさは一層引き立ちます。白を一段と輝かせる花色を見つけてみましょう。

※2023年6月14日に配信した記事を再編集しています。


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