ツインブリッジ、本格復旧に3年 暫定使用は来年以降 県議会一般質問 

能登半島地震の発生後、通行止めとなっている「ツインブリッジのと」=5月15日、七尾市中島町

 石川県は11日、七尾市能登島に架かる2本の橋の一つで、能登半島地震発生後に通行止めが続くツインブリッジのと(中能登農道橋)が、暫定的に使用可能となるまで1年~1年半の期間を要すると明らかにした。地震で生じた40センチの段差を解消するため、海上での作業も必要となり、本格復旧は3年程度かかる見込み。同橋は生活や観光に欠かせず、県は速やかな応急復旧を急ぐ。

  11日に開かれた県議会6月定例会で、清水真一路氏(自民)の一般質問に馳浩知事が答えた。

 ツインブリッジのとは、橋台と橋桁の間にある連結材「支承(ししょう)」が全6カ所のうち4カ所で破損した。このため、橋桁と陸側の道路の間には40センチの段差が生じた。

 応急復旧では、橋桁を支える仮施設を整備した上、橋桁を持ち上げ、橋脚を修復する。支承は本格復旧用の製作に時間がかかるため、暫定のものにいったん交換する。海上での作業や台船での資材運搬もあり、応急復旧、本格復旧ともに時間を要する見通しだ。

 応急復旧後は、通行台数や、住民や緊急車両など通行可能な車両を限定して使えるようにすることを検討する。

 ツインブリッジのとは1999年に設置された。七尾市能登島と同市中島町をつなぐ全長620メートルの斜張橋で、地震前の通行量は1日500~700台だった。馳知事は「安全性をしっかり確認し、まずは暫定供用に向けて応急工事を速やかに進めたい」と話した。

© 株式会社北國新聞社