リーグ最少の失点11。横浜FCの堅守を支えるンドカの責任感「3枚の両脇は出ていくべき。裏は絶対に俺がカバーする」

19試合を終えて11勝4分4敗。勝点37の3位でシーズンを折り返した横浜FC。直近の徳島ヴォルティス戦は敵地で1-0の勝利。目下4連勝中だ。

特筆すべきは堅牢な守備で、総失点11はリーグ最少の数字。3-4-2-1の3バックでセンターを務めるンドカ・ボニフェイスは「試合を重ねるごとに、失点しないなっていうのは感じています」と手応えを示す。

「ディフェンス陣とかキーパーだけでなく、全員の守備意識の成果だと思います。シーズンの最初よりも、全員で連動してプレスというのは少しずつ出てきていますし、そのなかでチャレンジ&カバーだったり、あとはゴール前の守備で身体を寄せるところ、シュートに対して寄せるというのは、全員が当たり前のようにでき始めているのかなと」

連動性という点では、精度が高まっている印象だ。相手のボールフォルダーにファーストディフェンダーが対応した瞬間、他の選手が次を予測して素早くアクションを起こす。パスコースを限定し、相手のビルドアップを遅らせる。

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もっとも、ンドカは現状に満足せず、「理想を言えば、もっと高い位置でのプレッシングで奪えたら」と、さらなる向上を目ざす。局面によっては、3バックの両サイドが果敢に前に出てボール奪取を狙う時もあるが、リスクマネジメントはできている。ンドカが中央で構えて、目を光らせているからだ。

「3枚なので、ウイングバックを入れて5枚気味になっちゃうと、どうしても後ろに重くなる。ウイングバックを越えてでも、3枚の両脇は出ていくべきだなと自分は思っています。裏は絶対に俺がカバーするから出てくれっていうのは、両サイドには言っていますね。

フク君(福森晃斗)とかガブ(リエウ)やタケ(岩武克弥)も前に強い選手だし、特長も活きると思う。その代わりに自分が後ろは絶対にカバーする。それができないと、彼らも前に出ていきづらくなるので。絶対にカバーするっていうのは、練習でも伝えています。もう、うるさいぐらいに言ってますね(笑)」

強い責任感と献身性で最終ラインを統率する28歳が、横浜FCの堅守を支えている。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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