全米オープン開幕直前「パインハーストNo.2」ってどんなコース? 史上最難関との声も

18番グリーンを上空から(撮影:GettyImages)

<全米オープン 事前情報◇11日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70 >

今週はいよいよ海外メジャーの今季第3戦が、米ノースカロライナ州で開催される。会場はパインハースト・リゾートNo.2コース。今大会の開催は2014年以来10年ぶりで4回目。前回大会では、マーティン・カイマー(ドイツ)がトータル9アンダーで2位に8打差をつける完全優勝を果たし、メジャー2勝目を飾った。当時、世界一ともいわれる難セッティングにアンダーパーで回ったのは、カイマー含めわずか3人。モンスターコースは何が難しいのか。

■10年ぶり開催のパインハーストとは

今回使われるNo.2コースは、ドナルド・ロス設計で全米有数のゴルフリゾートとして有名なコースで、1907年に開業した。コースの特徴は何といってもアンジュレーションがあり、お椀をかぶせたようなグリーン。落としどころを間違うと絶妙な位置に配置されたバンカーに転がり落ちてしまう。そしてティショットでも、フェアウェイを外せば待ち受ける砂地。ロングゲーム、ショートゲームの正確性が要求される。

2010年、パインハーストNo.2はコースの大改修を施し、ホール両サイドのラフは取り除かれ、砂地へと変貌した。前回開催された14年には、その砂地に苦しむ選手が続出。また、特徴あるアンジュレーションのあるグリーンときれいに芝が刈られたグリーンサイドが特徴的。グリーン周りではウェッジ以外のクラブを使うなど様々な種類のアプローチが要求される。

加えて、極端に長い距離を誇るホールも多数あり、これらのトラブルを避けながら、スコアを落とさないプレーが要求される。

■注目ホールは500ヤード超のパー4

今大会のキーホールは500ヤード超のパー4だろう。今年の全長7540ヤード・パー70と長く、特にパー4は500ヤード超えのものが3ホールもある。ほとんどの選手が長い番手を持たされるなか、グリーンはアンジュレーションがあり硬く止まらない。また、グリーンを外せばトラブルが待つ。そんなストレスのかかるホールでいかに耐えることができるかが、今大会を制するカギとなりそうだ。

まず一つ目の500ヤード超えパー4は、2番。ティショットでは左に並ぶフェアウェイバンカーを避けたいが、右に逃げてしまうと砂地に入りトラブルになる。いかにここで耐えて流れを作っていくかが大事だ。

さらに528ヤードの4番も難関だ。通常パー5をパー4にしていることで非常にタフとなっている。2打目では、少しでもミスをするとグリーン周りにワナが待つ。極端にパーオンを難しくしているホールと言えそうだ。

これらの難所を超えても、さらに難所が襲ってくる。16番ホールは536ヤードで最後の500ヤード超えのパー4だが、最も難しくなりそうだ。軽い左ドッグレッグとなっているホール。右サイドの300ヤード付近のバンカーを避けるようティショットでうまくフェアウェイに置いたとしても、今度はグリーン周りのハザードがミスを誘ってくる。終盤にきての難所。優勝争いを左右するホールになりそうだ。

そして、パインハーストといえば18番ホールも名物の一つだ。500ヤードに満たないが448ヤードのパー4も最後を締めくくる難ホールだ。特に2打目が難しい。グリンは段に別れ、ピンと同じ段に乗せなければパーセーブは難しい。

この18番は、ペイン・スチュワートの有名なガッツポーズが生まれた場所でもあり、このガッツポーズの銅像が18番奥に置かれている。

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