県内農作物の鳥獣被害3億4509万円 23年度 6%減も高水準

 愛媛県は11日、2023年度の野生鳥獣による県内農作物の被害額は3億4509万円(前年度比6%減)だったと公表した。イノシシ、サル、ハクビシン、鳥類による被害が減少した。22年度のイノシシ、ニホンザルの捕獲頭数が過去最高を記録したのに加え、畑などへの侵入防止柵の設置など対策が進んでいることを要因に挙げる一方、依然として被害は高水準として、警戒を呼びかけている。

 県庁であった県鳥獣害防止対策推進会議で県農産園芸課が報告した。鳥獣別の被害額は、イノシシが1億9014万円(9%減)で全体の半分以上を占めた。ヒヨドリ3855万円(3%減)、カラス2991万円(4%減)、サル2987万円(15%減)と続く。果樹の苗木などを食べるシカは17%増の1902万円。新たに被害が発生した場所があるなど、生息域拡大の恐れがあるという。

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