停戦巡る安保理決議、ハマス幹部が受け入れ表明 米は新たな支援発表

[カイロ/テルアビブ 11日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスの幹部は11日、国連安全保障理事会(安保理)の停戦決議を受け入れ、詳細について交渉する用意があると表明した。イスラエルに決議を順守させるのは米国の責任だと主張した。

ただ関係筋によると、協議を仲介するカタールとエジプトは、ハマスとイスラエルの双方から停戦案に関する正式な回答をまだ受け取っていない。

ハマス幹部のサミ・アブズーリ氏はガザ地区での停戦、イスラエル軍の撤退、イスラエルが拘束しているパレスチナ人と人質の交換に関して、ハマスは安保理決議を受け入れるとロイターに述べた。

「安保理決議を履行して占領軍に戦争を即座に終結させる約束を果たすという真の試練に米政府は直面している」と語った。

ブリンケン米国務長官は同氏の発言について「希望の兆し」と述べた。同時に、ガザ地区におけるハマス指導部の明確な意思表示が必要と指摘。「それが重要だが、まだ得られていない」と語った。

サミ・アブズーリ氏はガザ地区外に拠点を置いている。

<米、約4億ドルのパレスチナ支援発表>

中東を歴訪中のブリンケン長官は11日、ヨルダンで開かれたガザ地区への人道支援に関する会議で、パレスチナに対する4億0400万ドルの支援を発表。他の国にも支援を強化するよう呼びかけた。

ブリンケン氏は10日にカイロでエジプトのシシ大統領と会談した後、イスラエルに向かい、ネタニヤフ首相のほか、ガラント国防相と会談。11日は、ネタニヤフ首相が率いる戦時内閣からの離脱を表明したガンツ前国防相と会談した。

ブリンケン氏は訪問先のテルアビブで、ガザ地区の戦争終結後の計画に関する協議は向こう数日間継続されると言及。これまでの一連の会談で、ガザ地区の治安、統治、復興などの戦争終結後の計画についても協議したとし、「この地域の多くのパートナーと協議を進めてきた。話し合いは今後も続く」と述べた。

昨年10月のハマスによるイスラエル奇襲後、ブリンケン長官の中東訪問は今回で8回目。外交努力が続けられる中でも、イスラエル軍はガザ南部ラファへの攻撃を強化。ガザ地区での戦闘は11日も続いた。

© ロイター