洋上風力発電の低コスト化に向け 国の研究機関が風車の浮体式での実証実験を行う海域に由利本荘市とにかほ市沖を採択

洋上風力発電をめぐり、低コスト化を目指して、国などが風車を海に浮かべる浮体式での実証事業を行う海域に由利本荘市とにかほ市の沖合が採択されました。採択を受けて佐竹知事は「県内企業が実証段階から参画できるよう積極的に取り組んでいく」とコメントしています。

浮体式洋上風力発電は深さのある海域でも設置できるメリットがあり、技術開発が急がれています。

こうした中、国の研究機関、NEDO「新エネルギー・産業技術総合開発機構」は、総額2兆円にのぼる「グリーンイノベーション基金」を創設。6年後の2030年までに浮体式での洋上風力発電のコストを低減し、商用化することを目指しています。

そのための実証事業に全国4つの海域が候補に挙がる中、秋田県南部沖と愛知県沖の2か所が選ばれました。

秋田県南部沖は由利本荘市とにかほ市の沿岸から20キロから30キロの沖合で、水深は約400メートルの海域です。

計画では出力15メガワットの風車2基設置し2029年秋ごろの運転開始を目指します。

実証事業を行うのは、東京に本社を置く商社丸紅を中心にした共同企業体です。

丸紅は秋田港と能代港で日本で初めての商用運転となった大型洋上風力発電事業も手掛けています。

部品の製造やメンテナンスなど大きな経済効果も見込める浮体式での実証事業。

秋田県南部沖で採択されたことについて佐竹知事は「将来の商業運転段階における経済効果の最大化を目指し、県内企業が実証段階から参画できるよう積極的に取り組んでいく」とコメントしています。

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