屋外の公共時計「ここもあそこも止まっている!」「遅れている!」なぜそんなことに...【岡山】

こちら【画像①】の時計の時刻をご覧ください。実はこれ、観光客も多く通る岡山市北区の桃太郎大通りで撮影。「7時」を指してはいますが、撮影したのは午後3時40分なんです。そう、時計が止まってしまっているんです。

こういった時計がもし街なかにあったら困りますよね?

実は、岡山市街地中心部の屋外にある公共時計、調べてみると遅れたり止まっていたりするものばかりであることが分かりました。何故こんなことになっているのでしょうか?砂山記者が取材しました。

あそこも、ここも。。。時計が全部「遅れてる」「止まってる」!

(砂山祐佳里記者)
「現在時刻は、午後1時40分を回ったところなんですが…あちらの時計は『10時』を指したまま、止まってしまっています」(【画像②】参照)

【画像③】の時計も止まったまま。
【画像④】の時計は5分遅れ。
【画像⑤】は11分遅れ。

岡山市街地の中心部にある時計の多くが、どれも遅れたり、止まったりしているのです。

その1つは、岡山の玄関口に。。。

そのうちの一つ、岡山の玄関口とも言える、JR岡山駅をすぐ出たところに問題の時計がありました。観光客や通勤・通学客の目に入る場所です。桃の形を模したというこの時計(【画像⑥】)。

一見すると何ら問題は無いように見えますが、実は…時刻が合っていません。止まったままの状態になっているのです。岡山県外から来た人は、この事実に戸惑うばかりです。

(群馬県民)
「考えられないですね。あんまりみないですね。こんな目立つところでずれているっていうのは。珍しいことだと思います」

通学で岡山駅を利用する高校生も。

(高校生)
「バスで通るたび毎回ちょっと気になる。公共のものだから、もっとちゃんとしてほしい」

インバウンド客もビックリ!「直したほうがいいよ」

コロナが明け、インバウンド客も多く岡山を訪れるようになりました。彼らもまた、この止まったままの時計に驚きを隠せません。海外からの観光客に時計が止まっていることを伝えてみると。

(休暇中のオーストラリア人)
「あ、止まってる。10時を指してますね。直したほうがいいよ」

(アメリカ人)
「あの時計は10時を指しているね。とてもかっこいい時計だと思うし、景観にとっていい要素になると思うけど、古いから直したほうがいいと思う」

止まったままの時計は、ここだけはありません。

(砂山祐佳里記者)
「あったあった、ありましたよ。こちらの時計(【画像⑩】)は7時を指したまま止まってしまっています」

お昼であろうが、深夜であろうが、時計が指すのは7時。桃太郎大通りの、シンフォニービル前です。こちらも観光客や通勤・通学客がよく目にする場所にありながら、時は止まったままです。

むしろ問題は「止まった時計」よりも「遅れた時計」だ!

さらに、目と鼻の先にある石山公園のデジタル時計は14分遅れています(【画像⑪】)。「動いているだけいい」という訳には行きません。

(高校生)
「なんか(時間が)違うなって」

ー焦ったりしたことは?
「めっちゃあります。毎日焦ってます。見た人が時間を勘違いして、色んな予定を間違えたり」
「海外からも来ると思うので、そういった人のためにも時間をずらさないでほしいです」

さらにさらに、西川緑道公園沿いの時計は11分遅れ。この時計を信じて目的地に向かうと、到着が予定より11分遅れてしまいます。

(ヨガ通いの女性)
「ここを通るときに時計がいくつかおいてあるじゃないですか。あれ、時計が違う?と思って。ちっちゃいお金だけど、修繕や管理にお金を使ってほしい」

時計を管理する「岡山県」「岡山市」はこの状態、何と答える?

岡山市街地の中心部にある時計のうち、止まっていたり時間がずれていたりするものは、RSKが確認しただけでも【画像⑭】の地図にあるように5か所。

そのうちの一つ岡山駅前の時計は、岡山県が管理していることがわかりました。この時計、実は「直しては、止まる」を繰り返していることが分かりました。

(岡山県県民生活交通課 篠森祐作副参事)
「どれくらい止まっていたかというのは定かではない。月に一度はメンテナンスをしているのですが、その間に時計が止まってしまった」

「時計を頼りに時間を把握されている観光客、県民の方に向けて、大変申し訳ないなと思っております」

「もし時計が止まっていることがあれば、県のほうにご連絡いただけたら幸いですし、我々も速やかに復旧できるように心がけたい」

岡山市はインタビュー取材できず「対応を協議中」

そして、他の4つの時計は、岡山市が管理していることがわかりました。市に問い合わせたところ、忙しいため、インタビュー取材の対応ができないとのこと。

その代わりのコメントとして、

「時計の定期点検は実施されておらず、市民・県民からの通報を受けてはじめて対応を行っているのが現状」

「桃太郎大通りに面する時計に関しては、完全に故障しているため、現在対応について協議中」

「市としても、現行の体制に問題があると判断したため、点検の体制を整えるなどして、適切な対応を進めたい」

と話していました。

たかが時計、されど時計。観光客や、通勤・通学客が多く目にする場所にある公共の時計だからこそ、その管理の正確さが問われています。

【スタジオ】
こんなにも遅れたり止まってる時計があるとは、ちょっと驚きました。春川さん、この現状をどう受け止められますか?

(コメンテーター 春川正明さん)
「実は私、2年ほど前から岡山に来るようになって、最初に大通りに面した時計が止まっているのを見てびっくりしたんですね」

「こういうことが許されている街なんだって、なんか廃れてるのかなって、やっぱりネガティブに感じました」

そしてこの時計に動きがあったようです。取材した砂山記者です。

(砂山祐佳里記者)
「そうなんです。【画像⑰】のように遅れたり止まったりしている時計ですが、岡山県と岡山市に先週の水曜日(5日)に事実を確認したあと、3日後の土曜日(8日)に現場に行ってみると、3ヶ所は正しい時刻に直されていました(【画像⑱】)」

(コメンテーター 春川正明さん)
「すぐに対応していただいたということですかね、やろうと思えばできるなら、すぐやってほしいですけどね、普段から」

(砂山祐佳里記者)
「そしてVTRにもあった通り、壊れたままの1か所はずっと7時を指したまま。さらにデジタル時計については、2分遅れて16分遅れとなっていました」(【画像⑲】)

「加えてきょう(11日)岡山市から電話があり、こちらのデジタル時計についても、『もうかなり古い時計ということで、直すのが難しい』ということでした」

(コメンテーター 春川正明さん)
「やっぱり、街を歩く人たちの実用的な問題もあるんですけども、最初にもちょっと言いましたけど、やっぱり『街のイメージの問題』だと思うんです」

「些細な問題かもしれませんが、こういうところが市や県に対する信頼に繋がると思いますので、本当迅速な対応をしっかりしていただきたいなと思います」

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