俳優・原田大二郎さん「神対応」中止となった朗読会で似顔絵のファンサービスも

俳優・原田大二郎さんの「神対応」です。

きのう(9日)岡山市で予定されていた原田さんの朗読会が、急遽本人の体調不良で中止となりましたが、その後回復した原田さんが1時間半遅れで会場に駆け付け、ファンサービスを行いました。

原田さんは8日夜から胸のあたりに違和感があったため、主催者は、9日の岡山市での朗読会は大事をとって中止とすることを直前に決めました。
しかし、中止を知らずに来場したファンも多くいたため、病院で処置を受け回復した原田さんが会場を訪れ、急遽、内田百閒の「冥途」を朗読しました。

「冥途」は、主人公が一膳飯屋で隣り合わせた四、五人連れの会話の中の一人の男の声に、なぜか腹が立ったり、悲しい気持ちになったりする。会話を聞いているうち、声の主を思い出し…という物語。

高松市の奏者、木村西葉さんの三味線に合わせ、原田さんは、夢の中のように薄ぼんやりとはっきりしない「冥途」の世界を表現しました。

会場となったのは、岡山市北区の蔭凉寺。しっとりと雨に濡れた境内は、内田百閒の静かにしみわたるような世界観によく似合っていました。

ファンサービス旺盛な原田さんは、さらに「お寺にぴったりな話をもうひとつ読みましょう」と急遽、パソコンに向かい、予定になかった作品を朗読しました。

朗読したのは、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」。
お釈迦様が極楽の蓮池から垂らした一本の蜘蛛の糸。その糸にすがって、血の池地獄から這い上がる犍陀多(かんだた)の必死の形相が見事に表現され、会場のファンは、原田さんの元気な様子に安堵し喜んでいました。

原田さんの「神対応」はさらに続きます。なんと、全員に色紙にサインを!
一人ひとりに名前をたずね、にこやかにペンを走らせました。

取材していた筆者にも似顔絵入りのサインを書いてくれました。

原田大二郎さんは、「今回、朗読会が中止になったけど、それを知らずに来場し会場で待っていた方々が無料で朗読を楽しめたということは、どんどんSNSやブログにあげてもらって結構!(中止と聞いて)先に帰った人が悔しがるじゃない!今度は帰らずに待っておこうって思うでしょ」と話しています。

バラエティ番組でもおおいに活躍された原田さん。気さくで飾らない、おおらかな人柄を改めて感じました。

※当日蔭凉寺に来場し、原田さんに会わずに帰った方は
主催者の平見さん hirami@kiui.ac.jp まで。

今回中止になった朗読会は、改めて開催するということです。

© RSK山陽放送株式会社