【中国】中国車メーカー、東南アでも価格競争の流れ[車両]

中国自動車メーカーがこぞって東南アジアへの事業展開を強化する中、中国勢同士の価格競争が広がっている。シェア拡大を狙う中国各社の動きが背景で、東南アジアの自動車市場で7割以上のシェアを握る日系業界に一定の影響が及ぶことも考えられる。第一財経日報(電子版)が伝えた。

中国自動車メーカーはタイやマレーシア、インドネシアなどの市場に進出。中国勢による東南アジア自動車市場の2023年のシェアは7%に迫り、5年前から約6ポイント上昇した。現地に工場を設置する動きも目立つ。各社は中国市場での激しい競争で培った「新エネルギー車(NEV)」の技術力とサービス力を武器に、拡販に乗り出している。

しかし、最近は東南アジア市場でも中国メーカー間の価格競争が発生。タイでは比亜迪(BYD)の値下げを皮切りに、重慶長安汽車やナタ汽車(ナ=口へんに那、タ=口へんに託のつくり)、広州汽車集団系の広汽埃安新能源汽車(AION)、長城汽車などが追随した。シェア獲得を巡る中国市場と同じような値下げ合戦が海外でも始まった形で、東南アジアの他国でも同様な流れが広がるとも考えられる。

中国の自動二輪メーカーは東南アジアのシェアを一時8割握った過去がある。値下げによる販促がシェアを押し上げた形だが、品質など価格以外の問題点が指摘され、徐々にシェアを削られた。市場では、自動二輪の失敗を踏まえ、中国自動車メーカーは価格競争だけではない長期的な視野で東南アジア市場の開拓を進め、現地での信頼度を高めるべきだとの声も上がっている。

© 株式会社NNA