人気バスケ漫画「スラムダンク」ポスターに酷似 鹿沼市長選政策ビラ、ネットで物議 落選候補者の後援会作製

小林氏の政策チラシ。人気バスケットボール漫画の映画ポスターと構図が酷似している

 9日投開票の栃木県鹿沼市長選で落選した候補者の後援会が作製、配布した政策チラシが、人気バスケットボール漫画「スラムダンク」の映画ポスターに酷似しているとインターネット上で話題になっている。5人が並ぶ構図やユニホームの色などから漫画を連想させるとの声が上がる。「著作権法違反になるのでは」との指摘もある中、専門家は「明確に違反とはいえない」などとの見解を示している。

 チラシは小林幹夫(こばやしみきお)氏の後援会の依頼を受け、支持者の60代男性がデザインした。小林氏のほか、茂木敏充(もてぎとしみつ)自民党幹事長、福田富一(ふくだとみかず)知事ら5人が、赤いユニホーム姿で並ぶ。市長選の告示前、政治活動の一環で後援会が配布した。

 男性は取材に「パソコンで作った。写真を合成し、画像処理で鉛筆画風のイラストにした」と説明。スラムダンクをモチーフにした県外の商店街のポスターを参考にパロディーの意図だったとし「著作権の問題になるとは思わなかった」と話した。

 チラシはネット上に広がり、ファンや有権者らが相次いで交流サイト(SNS)にコメントを投稿した。批判的な意見が目立ち、「著者が候補者を応援していると誤解される」「漫画を政治の場で利用すべきではない」との指摘もあった。

 早稲田大法学学術院の上野達弘(うえのたつひろ)教授(知的財産法)は「完全にトレース(複写)してはいないので著作権侵害には当たらない」とみる。弁理士男性は「赤いユニホームや背番号は一般的。胸のロゴは地名。判断は分かれるだろう」とした。

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