森保Jのシリア戦、システム変更が裏目に? 日本代表OBが示した難色「前半のほうが良かった」

冨安健洋、板倉滉、町田浩樹が3バックを組んだ【写真:徳原隆元】

日本はシリアに5-0で快勝

日本代表は6月11日、2026年開催の北中米共催ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の最終戦でシリアと対戦し、5-0の快勝を収めた。前半は3-4-2-1システム、後半は4-1-4-1システムとフォーメーションを試合中に使い分けた日本は、前半に3得点、後半に2得点を奪ったなか、この日解説を務めた元日本代表MF小野伸二氏、同MF松井大輔氏が前半から後半にかけての変化について見解を述べている。

2次予選2試合を残して最終予選進出を決めていた日本は、6日に行われたミャンマー戦で3バックシステムを採用し、5-0で圧勝を収めた。シリア戦でも同じく、3-4-2-1システムを採ったなか前半13分、左サイドを突破したMF中村敬斗のクロスをヘディングで合わせたFW上田綺世が先制点を奪取。さらに同19分にMF久保建英のパスを右サイドで受けたMF堂安律がニアサイドを撃ち抜いて追加点をマークすると、同22分には久保のスルーパスが相手DFに当たり、軌道が変わったボールはそのままゴールネットに流れ込んだ。

後半に入ると、日本は中村に代えてDF伊藤洋輝を投入し、3バックから4バックシステムに変更。しばらく膠着した時間が続いたなか、後半28分に途中出場のMF相馬勇紀が倒されPKを獲得し、相馬自身が決めてリードを広げた。さらに同40分、高い位置でボールを奪うと、最後はMF南野拓実が鋭いコントロールショットで快勝劇に花を添えた。

前半と後半でシステムと戦術をはっきり使い分けてテストを施したが、この試合のテレビ解説を務めた小野氏は後半が始まった際に「前半と比べると、選手同士の距離感が近くなって、相手にとって守りやすい形にはなってしまったので、ん~……形としては、前半のほうが良かったと言える状況にはなっていますね」とコメント。後半17分に相馬とMF鎌田大地が投入されてからは攻撃に迫力が出始めたが、それまではやや膠着気味な展開となっていたことを受け、自身の見解を示していた。

松井氏も「やはりサイドに張っている形のほうが良いですね。前半は3-4-2-1システムの4のエリアに堂安と中村がいたことで、サイドで数的優位を作れていた。自分たちが攻撃しやすいフォーメーションだった」と言及。中村と堂安がウイングバックに配置されることで、相手守備陣を間延びさせることができていた一方、4-1-4-1システムにシフトしたことで、スペースが狭い窮屈な試合運びを強いられる時間があった。最終予選へと駒を進める日本だが、今後どちらのシステムに比重が置かれることになるのか注目が集まる。(FOOTBALL ZONE編集部)

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