米のガザ停戦案、ハマス「前向きに回答」 イスラエルの主張否定

Maayan Lubell Nidal al-Mughrabi

[エルサレム/カイロ 12日 ロイター] - イスラム組織ハマスは11日、バイデン米大統領が示したパレスチナ自治区ガザ停戦案に正式に回答した。ハマスは12日、「前向きな」回答によって停戦合意に達するための道が開かれたと表明したが、ハマスもイスラエルも合意を約束しておらず、先行きは不透明なままだ。

これに先立ち、イスラエルはハマスが停戦案を拒否したとの認識を示したが、ハマスは停戦案に含まれない従来の要求に改めて言及したに過ぎないとしている。

仲介国のエジプト・カタール両政府は同日、ハマスから停戦案へ回答を受け取ったと発表したが、内容は明らかにしなかった。

ハマスの政治局員、イザット・アル・リシュク氏は12日の声明で、ハマスの回答は「責任ある、真剣で前向きな」もので、停戦合意への「広い道筋を開く」ものだと述べた。

別のハマス当局者は回答について、停戦はガザでの恒久的な戦闘終結、イスラエル軍撤退、パレスチナ自治区再建、イスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ人の解放につなげるというハマスの立場を再確認するものだとロイターに語った。

「われわれはこれまでの立場を繰り返した。大きな差はないと思う。あとはイスラエル次第だ」と指摘した。

米国はイスラエルが提案を受け入れたとしているが、イスラエルからの発表はない。イスラエルはハマスを壊滅させるまで戦闘を続ける意向を繰り返し表明している。

イスラエル当局者は「仲介者を通じハマス側の回答を受け取った。その中で、ハマスはバイデン氏が提示した人質解放に関する提案を拒否した」とし、ハマスが停戦案に盛り込まれた「全ての主要かつ有意義なパラメーターを変更した」と述べた。

関係者によると、ハマスはイスラエルとの恒久的な停戦とラファを含むガザ地区からのイスラエル軍撤退の新たなスケジュールを提案したという。

イスラエル政府高官と会談するため、テルアビブを訪れたブリンケン米国務長官は11日、ハマスのコメントを「希望の兆し」と評したが、決定的なものではないと発言。より重要なのは、ガザとハマス指導部からの言葉だ。それがまだ得られていない」と記者団に語った。

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