「緊張するじゃん…」星野陸也 復帰戦の練習ラウンドはメジャー王者と

星野陸也はメジャー大会でツアーに復帰する(撮影/村上航)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前情報(11日)◇パインハーストリゾート&CC パインハースト No.2(ノースカロライナ州)◇7548ヤード(パー70)

試合はおろか、練習ラウンドすら約2カ月ぶりだ。肺から空気が漏れる「気胸」による休養から復帰する星野陸也が、10日(月)に実際のコースを回ったのは4月上旬の離脱前以来だった。偶然にも、一緒の組で9ホールをプレーしたのはメジャー5勝のブルックス・ケプカ。さらに前日「ザ・メモリアルトーナメント」で今季5勝目を挙げたばかりの世界ランク1位、スコッティ・シェフラーも途中、ウェッジを片手に交じってきた。

おかえりおかえり(撮影/村上航)

ブランク明けでのトップランカーとの対面に「久々なのに緊張するじゃん…」と冷や汗をかきつつ、ホールを進めるごとに感覚がよみがえってきた。「すごく楽しかったし、良いイメージをもらえた」。復帰戦はゴルファー世界一の称号を争うメジャー。過ごす時間は試運転から濃密になる。「先週(の調子)と比べたらだいぶ良くなって、むしろ久々にやったらフェードが打ちやすくなったような気がします」と笑った。

週明けから晴天が続いている(撮影/村上航)

2年ぶり4回目の出場は、現在の主戦場でつかんだ。5月20日時点のDPワールドツアー(欧州ツアー)の年間ポイントレースで有資格者のロリー・マキロイ(北アイルランド)に次ぐ2位につけていたことで、“欧州ツアーのトップ”選手という扱いで参加資格を得た。ランキングは前週4位に落ちたところ。「まだ(上位に)残っていたんだ、よく耐えたなという気持ちが大きい」とシーズン前半戦の好成績が改めて、今後の活力にもなる。

カムバックに際し、ゴルフをする以前に心配事があった。「飛行機は正直、大丈夫かな…と言う部分もあったんですけど、無事にクリアできました。(手術した箇所は)大丈夫なはずなんけど、多少不安だった」。気圧の変化への対応も問題なく、また転戦生活が続けられそう。次週オランダでの「KLMオープン」は今大会での様子を見て出場を考え、翌週「イタリアオープン」での“完全復帰”を目論んでいる。

欧州ツアーのトッププレーヤーとして参戦(撮影/村上航)

初訪問のパインハーストは全米ゴルフ協会(USGA)の新たなおひざ元でもある。「コースを回っていて『普段こんなに難しかったっけ…』と思ったら、『あ、これ全米オープンだった』と気づいた」。フェアウェイ両サイドのブッシュやネイティブエリアが視界を惑わせる。「自分を信じて打つのがすごく大事かなって」と強く気持ちを持ちたい。「ゴルフから離れていたので、久々にやるとやる気が出て、楽しさを感じられた」。プレーできる喜びを感じながらメジャーを戦う。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

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