佐々木麟太郎が全米デビュー戦で2ラン!ところで「MLBドラフトリーグ」ってナニ?

佐々木麟太郎(トレントン・サンダーSNSから )

米スタンフォード大学に進学する佐々木麟太郎(19)が大学リーグより先に実戦デビューした。

日本時間12日、MLBドラフトリーグの「トレントン・サンダー」の一員として「フレデリック・キーズ」戦に「4番・一塁」でスタメン出場、三回の第2打席で2ランを放った。

このMLBドラフトリーグは大学生、高校生のレベルアップを目的に2021年に創設され、今年で4シーズン目を迎える。プロ入り前のアマチュア選手、アマチュアでプレー資格のない選手がプレーし、現在は6チーム総当たりのリーグ戦で各チーム80試合が組まれている。

同リーグは6月から9月に実施され、リーグ前半はドラフト対象選手、後半戦はアマでの出場資格がない選手が出場する。

さるア・リーグのスカウトがMLBドラフトリーグについてこう言った。

「大学3年生までにドラフト指名されず4年目もプレーした選手や、プロからの注目度が低くリーグのレベルが落ちるNCAA(全米大学体育協会)2部加盟校の選手が出場することもあり、埋もれた選手の発掘の場ではあるが、むしろフレッシュマン(大学1年生)の顔見せ興行に近い。全米の各大学リーグで活躍を期待される選手を招集して米国の野球ファンにお披露目する狙いからです。麟太郎のような大学生は所属する大学のリーグ戦があるため、フル参戦する選手は少ない。麟太郎はスタンフォード大野球部の活動が始まるまでのスポット参戦に過ぎないでしょう」

同リーグは、MLBドラフトへの登竜門に位置付けられ、各球団のスカウトが視察に訪れるショーケースの場とされる。
創設からの3年間のドラフトで計133人が指名され、70人がドラフト外で入団。これまで8人がMLBに昇格した。

「ショーケースといっても、実際に招集される選手の多くは、ドラフトでは当落線上の選手です。そもそも、MLB各球団のスカウトがマークしているアマの有望選手であれば、ショーケースに出て実力を売り込む必要はありません。実際、ドラフトで上位指名されるケースはなく、過去のドラフトでは昨年、オレゴン大の遊撃手がブレーブスから3巡目(全体94位)で指名されたのが最高だった。今後、各球団の主力になる選手が出てくる可能性はありますが、現時点では小粒な印象は否めません」(前出のスカウト)

全米デビューを果たした麟太郎は顔見せに終わりそうだ。

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日刊ゲンダイは米大学野球でプレーする複数の日本人選手や専門家に徹底取材。すると、「クビ制度」や「勉学のノルマ」「練習環境」「故障への取り組み」「試合数」「サマーリーグ」…などなど、日本とはまったく異なる環境であることがわかった。それらは関連記事【米大学野球】…から読むことができる。

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