中国ゲーム産業は改善の見通し、新たなチャンス到来

中国ゲーム産業は改善の見通し、新たなチャンス到来

 ドイツ・ケルン国際ゲームショーの騰訊遊戯(テンセントゲームズ)の展示ブースで試遊するために列に並ぶプレーヤー。(2023年8月23日撮影、ケルン=新華社記者/張帆)

 【新華社北京6月12日】中国では2023年、質の高い新作ゲームが集中的にリリースされたことを受け、ゲーム市場の実質売上高は3029億6400万元(1元=約22円)と、前年比で14.0%増えた。同年の世界ゲーム市場の規模は6.0%増の1兆1800億元に達した。中国オーディオビジュアル・デジタル出版協会ゲーム出版活動委員会と、中国ゲーム産業研究院が共同で発表した「2023年中国ゲーム産業報告書」で明らかとなった。

 統計によると、中国市場は22年の低迷期を脱し、世界ゲーム市場を上回る勢いで回復している。24年2月はスマートフォンゲームアプリ、微信(ウィーチャット)ミニゲームの月間アクティブユーザー数(MAU)がそろって過去最高を更新した。

 モバイル関連の調査会社、北京貴士信息科技(クエスト・モバイル)のデータによると、微信ミニゲームのMAUは23年7月のピーク(6億6600万人)を境に減少の一途をたどり、一時は4億8800万人まで落ち込んだが、年初以降は増加傾向に転じ、2月は7億5500万人と過去最高を記録し、23年同月より20.5%増加した。

 金融情報大手、東方財富信息傘下の金融情報プラットフォーム「Choice数拠」のデータによると、23年はIT大手の騰訊控股(テンセント)の本土市場のゲーム売上高が2.0%増の1267億元、ゲーム大手の網易(ネットイース)のゲーム・関連付加価値サービス売上高が9.4%増の815億6500万元だった。

 中国市場は24年第1四半期(1~3月)に好況を呈し、国産ゲームが内外で好業績を収めた。国家新聞出版総署は5月20日、5月に審査・批准された国産オンラインゲームの著作権番号リストを公表し、国産ゲーム96作品が許可を得た。

 中国銀河証券のアナリスト、岳錚(がく・そう)氏は、24年1~5月に審査・批准され、著作権番号を発行された作品が524件に上り、前年同期の432件より20%超増えたと紹介。「今後も増加基調を維持し、ゲーム業界の供給サイドの持続的な好転につながる」との見方を示した。

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