「世界中の誰よりもきっと…」愛息・チャーリーくんに求めるアドバイス タイガー・ウッズは19年ぶりのパインハースト

4年ぶりの全米オープンに長男のチャーリーくんとともに挑むタイガー・ウッズ(撮影:ALBA)

<全米オープン 事前情報◇11日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70>

2020年以来、4年ぶりにタイガー・ウッズ(米国)が「全米オープン」に出場する。全米ゴルフ協会(USGA)の特別推薦での参戦。14年大会は腰痛を理由に欠場しており、パインハーストNo.2でプレーするのは05年以来のこと。そのときは2位に入り、1999年大会でも3位だった。

「戻ってこられてうれしい。全米オープンのテストは大好きだし、99年と05年には少し成功したこともあるんだ」。大会3勝を誇るスターは笑顔を見せるが、一方で、ベントからバミューダに張り替えられたグリーンについては警戒する。「いまとはまったく違っている。グリーン周りのショットの選択肢は、パットからウェッジまで、今年のほうが豊富になる」と用心した。

パインハーストでの19年ぶりの姿を見ようと、練習日から多くのギャラリーがタイガーを追っている。月曜日にはジャスティン・トーマス、ジョーダン・スピース、リッキー・ファウラー(いずれも米国)と早朝からアウト9ホールをプレー。そして火曜日はマックス・ホーマ(米国)とミンウ―・リー(オーストラリア)とインコースを確認した。その足取りは軽く、笑顔も多い時間だった。

そしてタイガーの隣には常に、息子の姿があった。長男のチャーリーくんの意見を取り入れているという。「自分のスイング、ゲームについて彼を信頼している。だって彼は、世界中の誰よりもきっと、僕がゴルフボールを打つ姿を誰よりも見てきたから」。このような親子関係について「特別なこと」と話し、息子の声に耳を傾けている。

今回は特に、グリーン上でのアドバイスをもらった。「僕はピンを見すぎてしまうことがあって、自分が取り組んでいることを忘れてしまいがち。ただ、ボールが転がっているのを見たいだけ。彼はそれを思い出させてくれる」。チャーリーと一緒にラインを読みながら、丁寧に、パインハーストの攻略法を組み立てている。

「チャーリーがテレビやYouTube、TikTokで見ているような選手を見ることが、彼にとっても素晴らしいこと。きょうは特に、ミンウとよく話をしていた。こういう瞬間を一緒に共有できるのはいいね」。長男も15歳になって大きく成長し、タイガーに背丈が近づいてきている。

今季はこれが4試合目。メジャーとなれば、60位に終わった「マスターズ」、予選落ちの「全米プロ」に続く戦いとなる。『勝てるか?』という質問には、「そうだね、僕にはそれができる力がある。あとはやるだけ」と気合も十分。予選ラウンドは22年覇者のマシュー・フィッツパトリック(イングランド)とウィル・ザラトリス(米国)とプレーする。(文・笠井あかり)

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