閉伊川水門の工事費、当初の5倍に増額 宮古の県震災復興事業

閉伊川水門=3月9日、宮古市(本社ドローンで撮影)

 岩手県は、宮古市藤原地区で整備を進める閉伊川水門(全長164.4メートル、高さ10.4メートル)の工事契約額を当初の5倍となる353億円に増額する。地盤調査に伴う工法変更や追加工事が要因。国直轄を除き、県内で唯一残る東日本大震災の復興ハード整備で、2027年3月の完成を見込む。

 11日の県議会議案説明会で示した。県は現場の状況に応じて契約の変更を随時行っており、18年3月の前回議決から59億8809万円の増額となる。具体的には、作業船が通航できるように川底の土砂をすくい上げる追加工事や地盤改良工事などのためで、資材高騰も影響した。

 水門は震災で被災した閉伊川の津波対策施設として、14年3月に70億3652万円で請負契約を結んだ。当初は15年度の完成を見込んでいたが、地盤調査で地中から岩石が見つかるなどし、工法変更や地盤改良が必要となった。完成は27年に延期された。

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